卑わいな言葉をかけ逮捕

2019-06-18

卑わいな言葉をかけ逮捕

~ケース~
Aさんは、愛知県名古屋市千種区にある駅のホームのベンチに座っている女性Vに対し、「胸を揉ませてほしい」と声をかけました。
Vはこれを無視していましたが、Aさんが「3万円ならどうだ」、「頼むから」などと執拗に声をかけ、Vも怖くなったので、警察に通報しました。
Aさんはその場から逃走しましたが、Vさんに対して卑わいな言動をしたとして、間もなく駆けつけた鉄道警察隊の警察官に愛知県迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されました。(フィクションです)

~愛知県迷惑行為防止条例について解説~

愛知県迷惑行為防止条例第2条の2第1項第4号は、
①公共の場所又は公共の乗物において、
②正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、
③人に対し、卑わいな言動をすること
が禁止されています。
これに違反し、有罪が確定すると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(愛知県迷惑行為防止条例第15条1項)。

「公共の場所」とは、道路、公園、広場、駅、空港、埠頭、興行場、飲食店その他の公共の場所をいいます(愛知県迷惑行為防止条例第2条1項)。
ケースにおける駅のホームは、正に「公共の場所」に該当すると考えられます。

卑わいな言動」とは何を意味するのでしょうか。
卑わいな言動」とは、判例において「社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作」を指すとされています。
女性に対し、胸を揉ませるよう申し向けることは、「卑わいな言動」の典型例ということができます。
したがって、駅のホームにおいて、Vに対し胸を揉ませるよう執拗に声をかけたAさんの行為が、卑わいな言動に当たるとして愛知県迷惑行為防止条例違反の罪を構成する可能性は高いと思われます。

~Aさんが頼むことができる弁護士について解説~

ケースのAさんはこの時点で、どのような弁護士を頼むことができるのでしょうか。

(当番弁護士)
当番弁護士は、被疑者が逮捕されている場合に、1回だけ、無料で接見をしてくれる弁護士です。
在宅事件(逮捕などの身体拘束が行われない事件)の場合は、呼ぶことができません。
被疑者の家族も、弁護士会に連絡し、被疑者のために当番弁護士を呼ぶことができます。
ただし、無料で接見できるのは1回のみであり、今後の身柄解放活動を依頼することはできません。
当番弁護士私選弁護人として選任することもできますが、この場合は弁護士費用がかかります。

(国選弁護人)
被疑者に対し勾留決定が出ており、被疑者が貧困その他の事由(資力が50万円未満の場合)により弁護人を選任することができないときに、その請求により、裁判所が選任する弁護士です。
国選弁護人の費用は基本的に無料ですが、釈放されて仕事に復帰していたなど円滑に社会復帰ができてそれなりの収入がある場合などにおいては、費用の負担を命じられることがあります。
国選弁護人私選弁護人が行いうる弁護活動に違いはなく、国選弁護人も身柄解放活動や示談交渉を行うことができます。
ただ、あまり事件について熱心でない弁護士がいるとの声や、弁護士との相性が合わないといった感想をしばしば耳にします。
自分で自身の相性に合った弁護士を選びたい、という方は、私選弁護人の選任をおすすめします。

(私選弁護人)
被疑者側で費用を負担し、選任する弁護士です。
通常は、法律相談などであらかじめ面接を行った上で選任する弁護士なので、自身の相性に合った弁護士を選ぶことができます。
私選弁護人については、今後の弁護活動を見こして弁護士費用を設定するので、費用がかかる分熱心に活動してもらえることが期待できます。
また、国選弁護人逮捕され、勾留決定が出たタイミングで初めて選任しうるのに対し、私選弁護人は逮捕される前であっても選任することができます。
そのため、逮捕などのかたちで事件が表面化する前に被害者と示談交渉を行い、示談を成立させ、刑事事件化を防ぐといった活動を行ってもらうことも可能となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が愛知県迷惑行為防止条例違反の罪などの痴漢の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弊所の初回接見をご検討ください。
刑事事件専門弁護士が逮捕された方と接見を行い、接見の結果を依頼者に報告させていただくことができます。
私選弁護人を選任すべきかどうか迷っている、という方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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