飲酒痴漢事件で起訴猶予による刑事処罰回避

2022-03-24

飲酒痴漢事件で起訴猶予による刑事処罰回避

飲酒して酔った勢いで痴漢をして刑事事件化した場合に、起訴猶予による不起訴処分を獲得して刑事処罰を回避するための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

東京都綾瀬市在住のAさん(40代男性)は、居酒屋で飲酒して泥酔状態になり、記憶が無いような状態で、他の客の女性の身体に触ったとして、被害者女性に警察を呼ばれた。
Aさんは、駆け付けた警察官とともに、警視庁東村山警察署に任意同行して、東京都迷惑行為防止条例違反痴漢)で事情聴取を受けた。
警察の事情聴取で、事件の調書が作られた後に、警察官より「また後日にも、取調べに呼ぶ」と言われ、Aさんの家族が身元引受に呼ばれて、Aさんは自宅に帰された。
Aさんには、過去の前科前歴は無く、痴漢事件の初犯だったため、「なんとか不起訴処分を得て、前科を回避できないか」と考えて、刑事事件に強い弁護士の法律相談に行き、今後の警察取調べ対応や、被害者との示談交渉につき、刑事弁護を依頼することにした。

(事実を基にしたフィクションです)

【痴漢事件の起訴判断までの流れ】

痴漢事件などの刑事犯罪を起こすと、まずは、警察署での取調べが行われて、被疑者の話した供述内容が調書にまとめられます。
警察取調べが何日かに分けて行われて、警察の調書作りや証拠集めが終われば、調書等の事件書類が検察庁に送られ、最後に検察取調べが行われます。
検察官は、検察取調べで被疑者の供述を聞き、事件書類を検討した上で、痴漢事件起訴するか不起訴とするか判断を行います。

検察官による起訴不起訴の判断によって、事件が起訴されて正式裁判となるのか、あるいは、略式裁判での罰金刑となるのか、あるいは、不起訴処分となるのかが決定されます。
このとき、不起訴処分となる理由としては、「起訴猶予」「嫌疑不十分」「嫌疑なし」「起訴要件を満たさない(親告罪の告訴取下げ等)」などがあります。

不起訴処分を得て、刑事処罰を回避するためには、事件早期の段階で弁護士に相談することで、警察取調べの供述対応や、被害者との示談交渉対応を検討することが重要になります。

【起訴猶予とは】

検察官が起訴不起訴の判断をする際に、不起訴処分とする理由のうち、実務上最も多いものが「起訴猶予」です。
痴漢事件の内容等に鑑みて「犯罪が成立することは明白」なものの、「訴追の必要がない」と判断された場合には、「起訴猶予」として、事件が起訴されないことがあります。
痴漢事件が「起訴猶予による不起訴処分」として起訴されなければ、その後に刑事処罰を受けることはなく、前科も付かないことになります。

・刑事訴訟法 第248条
「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。」

起訴猶予の判断に当たって考慮される事情として、犯人の性格(性質、素行、経歴、前科の有無、常習性の有無)、犯人の年齢(若年、老年、学生)、犯人の境遇(家庭環境、居住地、職業、両親その他監督保護者の有無)、犯罪の軽重(法定刑の軽重、刑の加重減軽事由の有無、被害の程度)、犯罪の情状(犯罪の動機・原因・方法・手口、社会的影響)や犯罪後の状況(反省の有無、逃亡や罪証隠滅のおそれ、被害弁償や示談の有無)などを総合的に考慮して、被疑者の責任や被疑事実の違法性を判断し、刑事責任の追及をすべき(起訴)か否(不起訴)を判断します。

痴漢事件刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、まずは、警察取調べの供述対応と、被害者との示談交渉活動につき、被疑者本人とともに弁護方針を検討します。
また、事件担当の検察官に対して、弁護士の側より積極的に働きかけることにより、事件当時の状況や示談成立の事情など、被疑者に有利となる事情を提示し、起訴猶予による不起訴処分の判断が下されるように尽力するなどの弁護活動を行います。

まずは、飲酒痴漢事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
飲酒痴漢事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

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