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路上痴漢逮捕事件で弁護士が早期釈放活動

2020-06-20

痴漢事件の釈放タイミングについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

福岡県行橋市在住のAさん(40代男性)は、会社の飲み会があった帰りに、酒に酔って記憶が無い状態で、繁華街の路上で通りすがりの女性の身体を触った容疑で、被害者女性が警察を呼び、Aさんは福岡県行橋警察署に逮捕されてしまった。
Aさんの家族は、Aさんの早期釈放と、会社に痴漢事件のことが発覚しないようにしたいと考え、刑事事件に強い弁護士に法律相談して、今後のAさんの釈放活動対応を依頼することにした。
弁護士は、まずAさんとの接見(面会)に向かい、今後の警察での取調べで、Aさんの記憶が無い部分のどのように供述していくかの方針を、Aさんと綿密に検討することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~逮捕から起訴までの時間的流れ~

刑事事件が捜査される際には、①警察署から取調べの呼び出しを受けて、取調べを終えればその日は自宅に帰される形で事件捜査が進む「在宅捜査」と、②身柄拘束を受けたままの形で事件捜査が進む「逮捕・勾留」の、2つのパターンが考えられます。
刑事事件の捜査では、一般的に「在宅捜査」のほうが多い傾向にあり、「逮捕・勾留」するかどうかの捜査機関の判断は、被疑者の逃亡や証拠隠滅のおそれがある事情や、共犯者がいる事情、被疑者が事件を否認している事情などが、身柄拘束の判断に影響します。

刑事犯罪を起こして逮捕された者は、一般的に、以下の流れで身柄拘束が続きます。
 ①逮捕
 ②48時間以内に警察官が検察官に身柄を送致
 ③24時間以内に検察官が裁判官に勾留請求
 ④10日間の勾留
 ⑤(勾留延長されたケースに限り)追加で10日間の勾留
 ⑥起訴・不起訴の判断
 ⑦起訴されて裁判中の勾留

~逮捕から釈放までのタイミング~

逮捕・勾留は、「逃亡のおそれ」または「証拠隠滅のおそれ」があるときに、これを防ぐ目的でなされるものです。
逮捕された者は、事件の内容に応じて、身柄拘束の必要性が無いと判断されれば、以下のタイミングで釈放される可能性があります。
 ①逮捕後に検察官が勾留請求せずに釈放
 ②逮捕後に裁判官が勾留請求を認めずに釈放
 ③勾留中に弁護士の準抗告が認められて釈放
 ④勾留期間が終了し、略式罰金等の刑事処罰または不起訴処分が決定して釈放
 ⑤起訴されて裁判が行われることが決定した後の保釈

それぞれの釈放タイミングで、刑事事件に強い弁護士が、釈放に向けた意見書提出や準抗告提出などの働きかけをすることで、早期釈放の可能性が高まることが期待されます。
逮捕されている被疑者に、「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」等の身柄拘束の必要性が無いことを示し、被疑者の家族が被疑者本人をきっちり管理監督し、その後の捜査機関の取調べにも応じさせることができると、弁護士の側から主張することが、早期釈放に向けて重要となります。

もし路上痴漢事件を起こして、警察に逮捕されてしまった場合でも、弁護士に弁護活動を依頼することで、刑事事件の経験豊富な弁護士が早期釈放に向けて尽力いたします。
弁護士による事件被害者への示談交渉活動や、被疑者に逃亡・証拠隠滅のおそれのないことの裁判所に対する主張、そして、このまま身体拘束が続けば被疑者本人やその家族に著しい不利益が生じることの主張など、釈放に向けて弁護士が果たせる役割は多岐に渡ります。

福岡県行橋市路上痴漢逮捕事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

痴漢の後に被害者に怪我を負わせ逮捕

2020-06-13

痴漢の後に被害者に怪我を負わせ、強制わいせつ致傷罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

東京都板橋区に住むAは、混雑している帰宅途中の電車内において、V女(18歳)の下着の中に手を入れるなどのわいせつな行為を行った。
駅で電車が停車すると意を決したV女は、Aの腕を捕まえて駅員に突き出そうとした。
Aは逃走するためにV女の腕を振りほどき、その反動で転倒したV女は怪我を負った。
警視庁志村警察署の警察官は、Aを強制わいせつ致傷の疑いで逮捕した。
Aの家族は、痴漢事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~痴漢と強制わいせつ致傷~

逮捕されてしまったAは、電車内で痴漢行為を行っていますが、まずこの痴漢行為にどのような罪が成立するのでしょうか。
多くの痴漢行為は、全国各都道府県が制定するいわゆる迷惑防止条例によって処罰されています。
しかし、迷惑防止条例の定める罰則は比較的軽く、悪質性の高い痴漢行為にはより重い刑法上の罪が成立する可能性があります。
実務においては、典型的には陰部や胸・尻等に直接触る行為には、迷惑防止条例ではなく強制わいせつ罪(刑法176条)が成立すると考えられています。
したがって、本件Aには、「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者」(刑法176条前段)として強制わいせつ罪が成立し、「6月以上10年以下の懲役」(同条)に処される可能性があることになります。

さらに、注意を要するのが、AがV女に怪我を負わせてしまっている点です。
刑法181条1項は「第176条……の罪(又はこ……の罪の未遂罪)を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する」と、被害者に負傷結果や死亡結果が生じた場合には、強制わいせつ致死傷罪という重い犯罪が成立するものとしています。
もっとも本件におけるV女の怪我は、Aによる(176条にいう)「暴行」や「わいせつな行為」から直接生じたものではなく、その後の逃走の過程で生じているにすぎません。
このような場合にも、強制わいせつ致傷罪が成立するのでしょうか。

この点、181条1項にいう「人を死傷させた」という死傷結果は、強制わいせつ行為に随伴して生じていれば足り、必ずしも強制わいせつ罪に該当する行為から直接生じることを要しません(判例・実務)。
したがって、本件のように強制わいせつ罪に当たる痴漢行為ではなく、逃走する過程でV女に怪我を負わせた場合でも、強制わいせつ致傷罪の成立は否定されないと考えられるのです。

~痴漢事件における弁護活動~

痴漢事件では、被害者との示談が成立すれば不起訴(起訴猶予)となる可能性が高いです。
したがって、弁護士を通し被害者とコンタクトを取り、示談を成立させることが刑事処分を回避する意味でも極めて重要になってきます。
もっとも、本件のように強制わいせつ致傷という重い犯罪が成立する場合には、別途の考慮が必要です。
怪我まで負わせている場合には、被害者感情も苛烈になることも少なくなく、示談交渉も容易とはいえません。
また、示談が成立したとしても起訴される可能性も高く、逮捕段階から裁判を見越した準備活動が求められると言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強制わいせつ致傷を含む痴漢事件などの刑事事件を専門としている法律事務所です。
弊所では、多数の痴漢事件を扱っており、事案や罪名に従って適切なアドバイスや弁護活動を行ってまいります。
痴漢事件で逮捕された方のご家族等は、365日年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせ下さい。

看護師を目指す大学生の痴漢事件

2020-06-06

今回は、痴漢事件を起こした大学生が看護師を志望している場合に注意すべきポイントについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

東京都多摩市に住むAさん(20歳)は医学部看護学科に通う大学3回生です。
Aさんは通学に電車を利用していますが、ある日、目の前にいた女性Vの臀部に劣情を催し、着衣越しにこれを撫でまわしてしまいました。
Vに気付かれたAさんは、Vと周りの乗客によって羽交い絞めにされ、駅員に引き渡されました。
駆け付けた警察官により、Aさんは警視庁多摩中央警察署に引致され、取調べを受けています。
逮捕を知ったAさんの親は、Aさんが看護師になれなくなってしまうことを危惧しています。
どうすればよいのでしょうか。(フィクションです)

~Aさんにはどのような罪が成立するか?~

Aさんの行った行為は典型的な「痴漢」行為です。
このような痴漢行為を行うと、通常、犯行を行った自治体の制定する迷惑防止条例違反の罪が成立します。

東京都内でケースのような行為を行うと、「東京都公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」違反の罪(第5条1項1号、第8条1項2号)が成立することになります。
法定刑は「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」となっています。

大阪府内でケースのような行為を行うと、「大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」違反の罪(第6条1項1号、第17条1項2号)が成立します。
こちらも法定刑は「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」となっています。

なお、痴漢の犯行態様が悪質であれば、上記のような迷惑防止条例違反の罪ではなく、「強制わいせつ罪」(刑法第176条)が成立する場合もあります。

~ケースの事件において気を付けるべきポイントは?~

Aさんの親が危惧している通り、ケースの事件を起こしてしまったことにより、看護師になれなくなってしまう可能性があります。
どのような根拠でこのような不利益を被ることになるのでしょうか。

保健師助産師看護師法第9条は、次の通り定めています。

第九条 次の各号のいずれかに該当する者には、前二条の規定による免許(以下「免許」という。)を与えないことがある。
一 罰金以上の刑に処せられた者
二 前号に該当する者を除くほか、保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者
三 心身の障害により保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
四 麻薬、大麻又はあへんの中毒者

初犯の痴漢事件において、適切な弁護活動を行わなければ、略式手続を経た上で、罰金刑を言い渡される可能性が高いでしょう。
すると、上記第1号に該当してしまうことになってしまいます。

「免許を与えない『ことがある』」という条文なので、第9条1号に該当してしまった以上、絶対に免許がもらえない、というわけではないのですが、これらに該当しないように事件を解決できた方が良いのは当然です。
それでは、どうすれば良いでしょうか。

~不起訴処分を獲得する~

検察官は、Aさんの反省の態度や、示談の有無、Vの処罰感情を考慮した上で、Aさんを裁判にかけない処分をすることができます(起訴猶予処分)。
裁判にかけられなければ、刑罰を言い渡されることはないので、上記第1号に該当せずに済みます。

初犯の痴漢事件において示談が成立すれば、不起訴処分を獲得できる見込みが十分あります。
もっとも、示談交渉には時間を要する場合もあり、時間も無限ではありません。
なるべく早期に弁護士を依頼することが、有利に事件を解決する近道といえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
看護師を目指すご家族が痴漢事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

国内線航空機内における痴漢事件

2020-05-30

今回は、国内線航空機内で準強制わいせつ事件を起こしてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

横浜市泉区に住むAさんは、国内線の航空機内において、隣で熟睡している女性Vの襟元に手を入れて、胸部を弄んでしまいました。
眠りから覚めたVはAさんの犯行に気付きましたが、畏怖のため声をあげることなどができませんでした。
Vがこっそり客室乗務員にAさんの犯行を告げたところ、着陸した空港でAさんを警察に引き渡すことになりました。
着陸空港でAさんは警察官から声をかけられ、取調べを受けた後、準強制わいせつの疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~悪質な痴漢事件~

多くの痴漢事件においては、各都道府県が定める迷惑防止条例違反の罪が成立することになります。
しかし、痴漢の態様が悪質だと、強制わいせつ罪など、より重い嫌疑をかけられることもあります。
ケースの態様は悪質であり、さらに、睡眠中の被害者にわいせつな行為を行っているため、準強制わいせつ罪の嫌疑をかけられたものと考えられます。

~準強制わいせつ罪とは?~

人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為を行う犯罪です(刑法第178条1項)。

「心神喪失」とは、意識喪失(睡眠・泥酔など)、高度の精神障害などによって、性的行為につき正常な判断ができない状態にあることをいいます。

睡眠中のVの胸部を弄ぶなどする行為は、人の心身喪失に乗じ、わいせつな行為を行ったものと評価される可能性が高いでしょう。

準強制わいせつ罪の法定刑は、強制わいせつ罪と同じく、6月以上10年以下の懲役となっています。
したがって、より早期に弁護士を依頼し、事件解決を目指す必要性が高い事件ということができます。

~今後の手続~

警察署に引致された後、犯罪事実の要旨、弁護人選任権について説明を受け、弁解を録取されます。
当番弁護士をこのタイミングで頼むこともできます。

~検察への送致~
警察での取調べ後、留置の必要が認められると、逮捕時から48時間以内にAさんを検察へ送致しなければなりません。
検察では、身柄を受け取った時から24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを決定します。

~勾留の判断~
Aさんの勾留の可否は裁判官が判断します。
勾留請求を受けた裁判官が勾留決定を出すと、10日間勾留されます。
さらにやむを得ない事由があると認められると、最長10日間勾留が延長されます。
勾留が付くと、捜査段階で最長23日間身体拘束を受けることになります。

~事件の有利な解決のために~

ケースの事件を有利に解決するためには、被害者と示談をすることが極めて重要です。
示談交渉は被疑者本人でも行うことができますが、不利、又は法律的に無意味な示談を行ってしまう可能性などがあるため、おすすめできません。
そもそもAさんは逮捕されているので、外で活動することができません。
また、Aさん自身でVの情報を獲得することは極めて困難でしょう。

そのため、弁護士に弁護活動を依頼し、その一環として示談交渉を行ってもらうことをおすすめします。

良い条件で示談が成立すれば、不起訴処分を獲得できる可能性もあります。
不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられることがないので、絶対に前科がつくことがありません。

事件を有利に解決するため、早期に弁護士を依頼することを検討しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が準強制わいせつ事件を起こし逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

公務員が起こした2度目の痴漢事件

2020-05-23

今回は、痴漢事件を起こしてしまった公務員の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

Aさんは、岐阜県所沢市内を走る電車内において、目の前の女性Vの腰を触った疑いで、埼玉県所沢警察署現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんは地方公務員として働いています。
地方公務員となってからは大人しく過ごしていたのですが、地方公務員になる前に1度だけ痴漢事件を起こし、罰金刑を受けた過去があります。
今回の事件についても犯行を認めていますが、職を失うことを非常におそれています。
どうすればよいのでしょうか。(フィクションです)

~Aさんに成立する犯罪~

埼玉県迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性が高いと思われます。

埼玉県迷惑行為防止条例第2条第4項は、
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞しゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。
と規定しています。

これに違反し、有罪判決を受ける場合は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(埼玉県迷惑行為防止条例第12条2項1号)。

~Aさんが特に注意すべきことは何か~

Aさんは地方公務員です。
地方公務員法第28条4項によると、「職員は、第十六条各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは、条例に特別の定がある場合を除く外、その職を失う」と規定されています。
地方公務員法第16条各号のうち、第2号には「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」が挙げられています。
懲役刑の言渡しを受け、その執行を猶予されている者も上記に該当します。

Aさんが有罪判決を受ける場合において、懲役刑が選択されてしまうと、地方公務員法第28条4項により、条例に特別の定めがある場合を除く外、失職してしまうことになります。

また、一刻も早い身柄解放を実現することも重要です。
地方公務員ではない、民間のサラリーマンの場合においても当てはまることですが、無断欠勤を続けると勤務先から不利益な処分を言い渡される可能性があります。
逮捕後、勾留決定がなされなければ、1日~3日程度で外に出ることができます。
1日~3日間、無断欠勤をすることは避けられませんが、勾留され、何十日も無断欠勤を続けるのに比べれば事態として良いということができるでしょう。

職を失ってしまうと、Aさんの社会復帰に多大な悪影響が生じます。
弁護活動を尽くし、早期の身柄解放の実現、懲役刑の回避を目指して行動する必要があります。

~具体的にはどうすればよいのか~

起訴猶予処分、または、②略式手続により罰金刑の言渡しを受けて事件を終了させることができれば、ケースの事件につき、地方公務員法第28条4項により失職する可能性はなくなります(ケースの事件に関係して、何らかの不利益な処分を受ける可能性は否定しきれません)。

起訴猶予処分は不起訴処分の1つです。
不起訴処分がなされれば、裁判にかけられることがないので、刑罰を受けることもありません。
できる限り起訴猶予処分の獲得を目指すべきですが、Aさんは過去に同種前科により罰金刑を受けているため、起訴猶予となるのは難しいでしょう。

起訴猶予処分の獲得は難しい、ということであれば、略式手続により事件を解決するよう検察官に働きかけることが考えられます。
罰金刑の言渡しで事件が解決すれば、地方公務員法第16条2号に該当せずに済むことになります。

被害者と示談をするなど、適切な弁護活動を捜査段階で行う必要があるといえます。

まずは接見にやってきた弁護士からアドバイスを受け、有利な事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が痴漢事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

誤認逮捕事件で弁護士が釈放対応

2020-05-16

誤認逮捕事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

千葉県四街道市在住のAさん(40代男性)は、朝の通勤時間帯に、通勤電車内で前に立っていた女性から痴漢と間違えられて、駅員を呼ばれた。
Aさんは、何もしていないと主張したが、女性や駅員に信じてもらえずに、警察に通報されて、千葉県四街道警察署に逮捕されてしまった。
Aさんは、Aさんの家族の依頼で接見(面会)に来た弁護士と法律相談をすることで、痴漢事件の否認を今後も続けていくに際して、警察署での厳しい取調べに対する対応を、弁護士とともに打合せ検討することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~誤認逮捕の弁護士対応~

通常逮捕の手続では、最初に捜査官が、「被疑者や被疑事実が書かれた逮捕状」を令状裁判官に請求します。
そして、身柄拘束を実際に行う捜査官は、逮捕にあたって必要な手続きとして、逮捕される者に対して、その逮捕状を示さなければならないとされています。
逮捕される当人は、逮捕状が提示されたときに、自分にどのような容疑がかけられているかを知ることができます。
一方で、現行犯逮捕の手続では、現行犯事件の容疑内容や加害者が明らかであるため、事前の逮捕状の提示は必要とされず、「現に罪を行い、又は罪を行い終わった者」を現行犯逮捕できるとされています。

自分に身に覚えのない容疑で、誤認逮捕されてしまった場合には、取調べを受けている警察署の留置所に弁護士を呼び、弁護士無罪であることを話しましょう。
または、逮捕の知らせを受けたご家族の方が、法律事務所に相談電話をして、刑事事件に強い弁護士を警察署へと派遣し、逮捕された当人と接見(面会)するように依頼することもできます。

冤罪事件で誤認逮捕された人が、無実の誤認逮捕である事情を弁護士に伝えることで、弁護士は早期釈放に向けて、すみやかに捜査機関に対して働きかける等、適切な対処をとることができます。

警察の捜査員は、いわゆる取調べのプロであり、逮捕者は継続的な身柄拘束を受けた上で、厳しい取調べを受けます。
逮捕者が自分は無実であると主張しても、厳しい取調べの過程において、精神的に追い詰められていく可能性が考えられます。
厳しい取調べを受ける逮捕者が、「一時的に楽になれるなら」と、つい投げやりな気持ちになって、事件を認める内容の嘘の自白をしてしまう事態に陥らないとも限りません。

そうなる前に、少しでも早くに法律事務所に相談をして、警察署での弁護士接見(面会)をご依頼ください。
警察取調べへの対処方法や、早期釈放に向けた事件の見通しなどを、刑事事件に強い弁護士が誠心誠意アドバイスいたします。

~痴漢事件の刑事処罰とは~

痴漢事件を起こした場合には、痴漢犯罪の行為態様に応じて、各都道府県の制定する「迷惑防止条例違反」や、刑法の「強制わいせつ罪」に該当するとして、刑事処罰を受けることが考えられます。

公共の場所や公共の乗物内で、痴漢事件を起こした場合には、迷惑防止条例に違反するとして、各都道府県の制定する条例の規制内容に応じて、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」や「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。

他方で、「暴行又は脅迫」を用いて、わいせつ行為を行った場合には、刑法の強制わいせつ罪に当たるとして、「6月以上10年以下の懲役」という刑事処罰を受けます。

・刑法176条(強制わいせつ)
「十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」

冤罪事件や誤認逮捕事件では、自身がどのような罪に問われようとしているかを、弁護士とともに綿密に検討した上で、罪に問われている犯罪事実に当たるような行為が無かったことを、弁護士の側から、客観的な証拠をもとに主張・立証していくことが重要となります。
誤認逮捕事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

ストーカー強制わいせつ事件で示談解決

2020-05-09

ストーカー強制わいせつ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

大阪市住吉区在住のAさん(40代男性)は、ネット上で知り合った20代女性に対して、何度も電話をかけたり、女性の自宅付近を徘徊したりする等のストーカーつきまとい行為を行った。
被害者女性が自宅を出た際に、Aさんは路上で女性に声をかけて、女性の身体を触る等の痴漢行為をしたことで、女性は警察を呼び、Aさんは大阪府住吉警察署現行犯逮捕された。
Aさんは逮捕されたことで、ストーカーつきまとい行為を深く反省し、被害者女性に謝罪したいと考えた。
Aさんの家族が刑事事件に強い弁護士を派遣し、Aさんは弁護士と今後の事件対応を法律相談して、事件の示談解決や早期釈放に向けて、弁護士に被害者示談対応の弁護活動を依頼することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~ストーカー強制わいせつ事件の刑事処罰~

ストーカーつきまとい行為の中で、ストーカー被害者に対して痴漢行為をした場合には、「刑法の強制わいせつ罪」「各都道府県の迷惑防止条例違反」「ストーカー規制法違反」などの罪に該当する可能性があります。
「暴行又は脅迫」を用いて、わいせつ行為をした場合には、「強制わいせつ罪」に当たるとして、「6月以上10年以下の懲役」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。

・刑法 176条(強制わいせつ)
「十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」

また、「公共の場所や公共の乗物」において、痴漢行為を行った場合には、迷惑防止条例に違反するとして、各都道府県の制定する条例の法定刑に応じて、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」や「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」という刑事処罰を受けます。

~ストーカー規制法違反の罪とは~

ストーカー行為とは、同一の者に対し、つきまとい等を繰り返して行うもので、違法行為に当たります。
平成12年に「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(ストーカー規制法)が成立し、ストーカー行為に対する刑事処罰の法定刑は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と規定されています。

ストーカー規制法において「つきまとい等」とは、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」で、「当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者」に対し、次のいずれかの行為をすることをいいます。

・つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
・その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
・面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
・著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
・電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
・汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
・その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
・その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。

警察等の捜査機関は、ストーカー行為が更に反復して行われるおそれがあると認めるときは、ストーカー行為者に対して、「更に反復して当該行為をしてはならない旨」を警告することができます。
それでもストーカー行為を止めなかった場合には、公安委員会は、ストーカー行為者に対して禁止命令を出すことができます。
そして、禁止命令に違反してストーカー行為を継続すると、ストーカー行為者に「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」を科すことが、ストーカー規制法に規定されています。

ストーカー強制わいせつ事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

スカートめくりで「卑わいな言動」

2020-05-03

今回は、路上で女子高生のスカートをめくり、逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

大阪府在住のAさんは、大阪府内の路上で通学中の女子高生Vにいたずらをしようと考え、背後からVに接近しスカートをめくってしまいました。
畏怖したVによって警察に通報されてしまい、Aさんは逃亡しました。
現場近くで犯人の容貌と似たAさんが発見されたので、警察官が職務質問をしたところ、上記犯行を認めました。
Aさんは警察署へ任意同行後、大阪府迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されてしまいました(フィクションです)。

~成立しうる犯罪を解説~

Aさんには、大阪府迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性が高いと思われます。
以下、大阪府迷惑行為防止条例を引用します。

大阪府迷惑行為防止条例
第六条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること。
二 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影すること。
三 みだりに、写真機等を使用して透かして見る方法により、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。
四 前三号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること。

Aさんが行った「Vのスカートをめくる行為」は、上記のうち、第6条1項4号の「卑わいな言動」に該当するものと思われます。
「卑わいな言動」とはどのような行為をいうのでしょうか。

最高裁判所平成20年11月10日決定によれば、「卑わいな言動」とは、「社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作」を意味します。
女性のスカートをめくる行為は、着用者が人目に触れないようにしたい身体の部分を露わにするものであることからすれば、「卑わいな言動」に該当する可能性が高いと思われます。

したがって、路上でVのスカートをめくったAさんの行為が大阪府迷惑行為防止条例違反の罪を構成する可能性は高いと思われます。

~Aさんは今後どうなるのか?~

逮捕・勾留されると最長23日間もの間、留置場や拘置所の中にいなければなりません。
逮捕後、1~2日程度留置場で過ごし、釈放されるケースもありますが、Aさんは犯行後逃亡を図っています。
一般論としてこのような行為を行うと、逃亡のおそれがあると認められ、身体拘束が長期化する原因になります。
なるべく早い段階で弁護士を依頼し、Aさんに逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれがないことを説得的に主張し、身体拘束の長期化を回避する必要があります。

具体的には、
・Aさんが定まった職に就いていること、
・Aさんを監督する身元引受人を用意したこと
・犯行場所から離れた場所(身元引受人宅など)に一時的に引越し、Vと接触する可能性がないこと
を主張するのが効果的でしょう。

~Vと示談をする~

検察官が起訴・不起訴を決定するまでに、V(実際にはその法定代理人)と示談をすることができれば、Aさんにとって有利な事情として考慮されることが期待できます。
ケースの事件が初犯であれば、不起訴処分がなされる見込みもあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が大阪府迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

痴漢と在宅事件

2020-04-28

痴漢と在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

兵庫県三田市に住むAさんは、地下鉄の電車内で、前に立っていた女性の尻や太ももなどに自身の股間を当てる痴漢行為をしました。そうしたところ、Aさんは、電車を降りホームに降り立ったところで、犯行の一部終始を見ていた目撃者の男性から声をかけられ現行犯逮捕されてしまいました。その後、Aさんの身柄は兵庫県三田警察署の警察官に引き渡されました。しかし、Aさんに罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがないとしてAさんは釈放されました。痴漢事件は在宅事件として捜査を受けることになりました。Aさんは在宅事件だと国選弁護人は選任できないことを知り、私選弁護人を選任しようかと考えています。そこで、Aさんは、痴漢事件に詳しい弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです)

~痴漢行為とは何か~

痴漢行為の定義について明確な定義はありませんし、痴漢罪という名称の法令もありません。しかし、全国各都道府県では、名称こそ多少異なるものの、条例で痴漢行為を禁じる規定を設けています。たとえば、兵庫県迷惑行為防止条例(以下、条例)3条の2には

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動

と規定されており、卑わいな言動が痴漢行為に当たります。
条例の罰則は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされています。ただし、常習性が認められる場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされています。

~在宅事件の手続の流れ~

身柄事件とは、犯罪を疑われている被疑者、被告人が捜査機関による拘束(逮捕、勾留))を受けている事件です。
対して、在宅事件とは、犯罪を疑われている被疑者、被告人が捜査機関による拘束(逮捕、勾留)を受けていない事件です。

刑事事件というと、身柄事件をイメージされる方も多いでしょう。
しかし、刑事事件の多くは在宅事件です。
捜査機関が人を拘束するのはあくまでも例外的措置ですから、身柄事件の数自体は刑事事件の全体の割合からすると少ないのです。

しかし、身柄事件の場合も在宅事件の場合も、捜査機関による取調べなどの捜査を受けた後、何らかの刑事処分(起訴、不起訴)を受け、起訴された場合は刑事裁判を受けなければならないという点では全く異なるところはありません。

検挙(逮捕など)→捜査(取調べなど)→刑事処分(起訴、不起訴)→刑事裁判

ただ、身柄事件の場合、身柄拘束があくまで例外的措置であることから法律上時間的制約が設けられています。
つまり、逮捕から刑事処分までは最大で23日しか身柄を拘束することができないとされており、その間、検察が刑事処分を決することができない場合は被疑者を釈放しなければなりません。
対して、在宅事件の場合、こうした時間的制約はありません。
したがって、在宅事件は身柄事件の「後回し」にされることがよくあり、検挙から刑事処分まで数か月、数年を要した、という例も珍しくはありません。

~在宅事件と弁護人~

在宅事件の場合、起訴前は国から弁護士(つまり、国選弁護士)を選任されることはありません。
つまり、

起訴前、在宅事件で弁護士が必要

という場合は、私選弁護士に刑事弁護を依頼する必要があります。
そして、特に、被害者との示談が必要という場合に、私選弁護士を選任する必要性は高いでしょう。
なぜなら、通常、被害者は当事者である加害者と示談交渉することはないからです。
しかし、そのまま示談交渉せずにいると、手続きが進んでしまい、起訴され、刑事場合を受け、結果として何らかの刑罰を受けなけばならなくなるかもしれません。
そうした事態を回避したい場合は、起訴前から私選の弁護士を選任する必要があるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。痴漢在宅事件で捜査を受けている方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。

朝の通勤電車内での痴漢事件

2020-04-23

朝の通勤電車内での痴漢事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。

~ケース~

京都市東山区に住むAは,朝の通勤電車内で,被害者女性の臀部などを撫でるなどして,京都府迷惑行為防止条例違反の罪で逮捕された。
Aは逮捕された翌日,地方検察庁に身柄を送致され,検察官の取調べを受けた後,裁判所に勾留請求された。
裁判所裁判官は,検察官の勾留請求を認め,Aは,その日から勾留されることになった。
(フィクションです。)

~何故勾留されるのか~

刑事訴訟法第60条
 裁判所は,被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で,左の各号の一にあたるときは,これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

勾留は,捜査のために必要がある場合,最大20日間身柄を拘束される刑事手続です。
「捜査のために必要がある場合」と言っても,単に捜査機関がそう思うから,というだけでは,やりたい放題の身柄拘束が横行することになってしまいます。それがどういう場合のことをいうのかは法律によって定められています。その法律の定めが,上に記載した刑事訴訟法第60条です(なお,刑事訴訟法第60条は,本来は,刑事裁判になった段階での被告人の身柄拘束についての裁判所の権限を定めた条文ですが,刑事訴訟法第207条によって,捜査の段階では,裁判官がこの権限を行使します)。

刑事訴訟法第60条第1号は,被疑者が「定まつた住居を有しないとき」には勾留できると定めています。被疑者が住居不定だと,捜査のために呼び出そうにも連絡が取れないからです。
実際のところ,住居不定を理由とする勾留はあまりありません。本件のAも,自宅から通勤のために電車に乗っていたので,「定まつた住居を有しない」には当てはまりませんでした。

刑事訴訟法第60条第2号は,被疑者が「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」には勾留できると定めています。被疑者に自由に証拠隠滅活動をされてしまうと,犯罪の立証に支障を来すことになるからです。
例えば,犯人が被害者の顔をよく知っていて,痴漢の機会を狙っていたのだとしたら,犯人を身柄拘束しないと被害者への接触を図り,脅したり誘惑したりして犯罪被害についての証言を変えさせる可能性があると言えるでしょう。
また,被害者が学生だったり仕事をしている人だったりすると,朝は毎日同じ時刻の電車に乗る可能性があるので,本件犯行時刻と同じ時間帯の電車内を探して被害者にたどり着く可能性があると言えるでしょう。その他,容貌や髪型が特徴的だったりすると,それを手掛かりに被害者を特定して接触を図る可能性もあります。
罪証隠滅の可能性は,勾留の理由の中で最も頻繁に見るものです。Aの勾留理由の一つも「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」というものでした。本件の被害者はAとは見ず知らずの他人でしたが,通勤のために朝は毎日同じ電車を使用していたことから,Aとの接触の可能性を否定しきれなかったものと考えられます。

刑事訴訟法第60条第3号は,被疑者が「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき」には勾留できると定めています。被疑者に逃げられると,その後に捜査のために呼び出すこともできず,刑事裁判に出頭させることもできなくなるからです。
逃亡の可能性は,罪証隠滅の可能性と並んでよく見かけます。Aの勾留理由も,罪証隠滅と並んで「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある」でした。京都府迷惑行為防止条例では,痴漢について,6月以下の懲役又は50万円以下の罰金と定めていましたが,懲役刑があり得るということで,Aも,処分を恐れて逃亡する可能性があると見られたようです。

勾留の理由があっても,捜査の必要性と被疑者の被る不利益を比較し,後者の方が重ければ,勾留の必要がないということになり,勾留はできません。
被疑者の被る不利益とは,様々な事情があり得ますが,例えば,受験等の緊急の要件や,仕事上代替不可欠な役割を担っていてそれが果たせないと巨大な損害が生じる,などが考えられます。
Aは勤務先で一定の役職には就いていましたが,代替不可能な不可欠な存在とまでは言えず,勾留の必要がないということにはなりませんでした。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,身柄事件の経験が豊富な弁護士が在籍しております。24時間、無料相談及び初回接見のご依頼を受け付けております。
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