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【報道解説】電車内の痴漢で逮捕後に処分保留で釈放
【報道解説】電車内の痴漢で逮捕後に処分保留で釈放
電車内で女性の体を触ったとして強制わいせつで逮捕された後に処分保留で釈放された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
「列車内で女性の体を触ったとして強制わいせつの疑いで逮捕されたJR西日本金沢支社の29歳男性職員について、金沢地検は処分保留とし釈放したと発表しました。
男性職員は11月2日の午前7時半ごろ、県内を走る普通列車の中でボックスシートに座っていた10代女性の隣に座り、体を触るわいせつな行為をしたとして強制わいせつの疑いで逮捕されていました。
金沢地検は28日付けで処分保留として釈放し、今後は在宅で捜査を続けるということです。」
(令和4年11月29日に石川テレビで配信された報道より引用)
【電車内の痴漢行為は何罪になるのか】
公共の乗り物である電車内で見知らぬ女性の体を触ることを「痴漢」と表現することがあるかと思います。
こうした電車内の痴漢は、具体的にどういった行為をしたのかということで成立する犯罪が異なります。
被害者の女性の服の上からお尻や太ももといった箇所に手のひらや手の甲を押し付けるといった場合は、各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反になる可能性が高いと考えられます。
迷惑行為防止条例の場合にどういった刑罰が科されるかは、各都道府県によって異なりますが、例えば東京都の場合は6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります(東京都迷惑行為防止条例8条1項2号)。
これに対して痴漢が迷惑行為防止条例違反ではなく刑法176条の強制わいせつ罪になる場合があります。
被害者の年齢が13歳以上のときに強制わいせつ罪が成立するためには、被害者に対して暴行又は脅迫を加えたうえで、わいせつな行為を行う必要があります。
「わいせつな行為」にあたる典型的なものとしては、女性の性器や乳房を直接触ったり、相手の唇にキスをしたりといったものがあります。
また、相手の胸やお尻を服の上から触った場合でも、単に手の甲を押し付けたという方法ではなく鷲掴みにしたりといったかたちで、服の上から被害者の性的部位をもてあそんだと言える場合には、迷惑行為防止条例違反ではなく強制わいせつ罪が成立することになると考えられています。
強制わいせつ罪の法定刑は6か月以上10年以下の懲役刑となっています。
強制わいせつ罪の法定刑には罰金刑が定められていませんので、比較的刑が重い犯罪であると言うことが出来るでしょう。
【釈放されても事件は終わっていない】
電車内で女性の身体を触ったとして逮捕された後で釈放されたからといって事件がこれで終了したことにはなりません。
取り上げた報道の記事の中にもありますように、釈放された後でも事件の捜査は在宅のまま継続されることになります。
そのため、在宅で捜査が進められていた結果、検察官が起訴の決定をして最終的に前科がついてしまうということもあり得るところです。
電車内での痴漢について自分がやったと認める場合は、検察官が起訴の決定をする前に、弁護士を通じて被害者の方と示談を締結する事が重要です。
示談金の額や今後痴漢をした電車を利用しないと言った条件を提示しながら、痴漢の被害者の方に謝罪と反省の意思を示して示談を締結することができれば、不起訴になって前科が付くことを回避することができる場合があります。
そのため、まだ弁護士をつけていない場合は釈放後すぐに弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
電車内で女性の体を触って警察の捜査を受けている方、一度逮捕された後に釈放されて被害者の方と示談をお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】路上での痴漢で自首を検討
【事例解説】路上での痴漢で自首を検討
路上で痴漢をした後に自首を検討し始めた刑事事件例をもとに、自主によるリスクやその後の刑事手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例紹介】
「Aさんはある日の夜、最寄り駅から自宅へと帰宅途中に、好みのタイプである大学生のVさんが目の前を歩いてることに気が付きました。
Vさんの体に触れてみたいと思ったAさんは、人気のない路上でVさんを追い越す際に、Vさんのお尻を着衣の上から手のひらでサッと触りました。
Vさんが悲鳴をあげたため、Aさんは急いでその場から立ち去りました。
その後しばらくの間はAさんは通常通りに生活していましたが、ある日突然警察に逮捕されるのか不安になったので、自首をしようかと考え始めました。」
(この事例はフィクションです)
【路上で痴漢するとどのような罪に問われる?】
「痴漢」と聞くと混雑した電車内で女性のお尻をスカートの上から手で触るといった痴漢行為をイメージされる方がいらっしゃるかもしれません。
このような痴漢行為は、各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反によって刑事罰が科されています。
たとえば、東京都迷惑行為防止条例第5条1項では、「何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。」と規定し、その1号において「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。」と規定しています。
電車は公共の乗物に当たることになりますから、東京都で走行している電車内で女性のお尻をスカートの上から触れば、東京都迷惑行為防止条例第5条1項1号に違反する可能性が高いということになります。
そして、このように電車内で行えば迷惑行為防止条例反に当たる可能性が高い痴漢行為を電車内ではなく路上で行った場合、この場合も迷惑行為防止条例違反となる可能性が高いと言えます。
というのも、既に東京都迷惑行為防止条例第5条1項1号をお読みになった方は既にお気づきかもしれませんが、同号では「公共の乗物」に加えて「公共の場所」においても「衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること」を禁止しているからです。
路上は「公共の場所」に当たることになると考えられますから、路上において、追い抜く際に着衣の上からお尻を手で触るといった痴漢行為は、東京都の場合は東京都迷惑行為防止条例第5条1項1号に違反する可能性が高いと言えるでしょう。
このような痴漢行為によって東京都迷惑行為防止条例第5条1項1号に違反した場合、同条例第8条1項2号によって6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
ちなみに取り上げた事例とは異なって、路上でVさんを後ろから抱きしめて身動きが取れないようにしたうえで、Vさんの胸などを触ったという場合のAさんには迷惑行為防止条例違反ではなく、刑法176条の強制わいせつ罪が成立する可能性が高いです。
刑法176条の法定刑は、6か月以上10年以下の懲役となっており、罰金刑が定められていないことから比較的刑が重い犯罪であると言えます。
【路上での痴漢行為で自首を検討されている方は】
自首とは、犯人が警察などの捜査機関に自ら進んで自分が犯した犯罪について申告して、その処分を求めることをいいます。
刑法では42条1項に自首の規定があり、自首が成立するとその刑を減軽することができるとされています。
自首が成立するためには、「捜査機関に発覚する前に」自首を行う必要があります。
「捜査機関に発覚する前に」とは、捜査機関が犯罪が発生したことを全く知らなかった場合や、被害届の提出などにより犯罪が発生したことについては知ってはいるものの犯人が誰であるかが分かっていない場合のことをいいます。
そのため、現在逮捕されていない、あるいは警察から連絡が来ていないという場合であっても、たとえば、警察において既に犯人が誰であるかを特定していて逮捕を行うための準備中であったという場合に警察に出頭したとしても自首が成立する可能性は低いと考えられます。
このように自首が成立する可能性が低い事件の場合は警察に出頭することが無意味なのかといえば必ずしもそうとは言い切れません。
警察に出頭すれば逮捕を回避して在宅で捜査が進められる場合がありますし、出頭前に弁護士を付けておけば弁護士を通して警察に連絡して出頭の日時を調整することも出来る場合もあります。
そのため、路上での痴漢行為について自首を検討されている方は、まずは弁護士にご相談されることをお勧めします。
弁護士に相談することで、警察に出頭した場合のメリットや出頭した後の手続きの流れ、そもそも今回の痴漢事件で自首が成立するのかといったことの説明を受けることができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
路上で痴漢をして自首を検討されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【報道解説】防犯アプリで痴漢を現行犯逮捕
【報道解説】防犯アプリで痴漢を現行犯逮捕
電車内で痴漢の被害を受けている女性が、防犯アプリをきっかけに犯人が現行犯逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
「通勤電車内で女性を取り囲んで痴漢をしたとして、警視庁池袋署は22日、自称埼玉県川口市、契約社員の男(34)を強制わいせつ容疑で、50歳代の無職男を東京都迷惑防止条例違反(痴漢)容疑で逮捕したと発表した。
逮捕は15日。
発表によると、契約社員の男は15日午前9時頃、赤羽―池袋駅間を走行中のJR埼京線の電車内で、20歳代の女性の下半身を触った疑い。
無職男も女性の体に自身の下半身を押しつけた疑い。
いずれも容疑を認めている。
契約社員の男と無職男に面識はなかった。
女性は当時、2人を含む5人ほどの男に不自然に囲まれていて、防犯アプリで被害を訴えたという。
気づいた乗客が契約社員の男らを取り押さえて駅員に引き渡した。」
(令和4年9月23日に読売新聞オンラインで配信された報道より引用)
【防犯アプリとは?】
今回取りあげた報道の中で登場する「防犯アプリ」は、別の報道によると、警視庁が配信している防犯アプリの「Digi Police(デジポリス)」というアプリのようです。
このデジポリスの機能のひとつに「痴漢撃退機能」という機能があります。
具体的には、「痴漢撃退機能」を起動するとスマートフォンの画面に大きく「痴漢です 助けてください」という文字が大きく表示されて、画面をタップすると「助けてください」という音声がなって、周囲の人に痴漢被害にあっていることを知らせることができます。
また、痴漢の被害を受けている本人だけではなく、周囲の人が「ちかんされていませんか」という画面をスマートフォン上に大きく表示することも出来るようです。
取りあげた報道の女性も、こうした機能を使って周囲の人に痴漢されていることを知らせたことで犯人を現行犯逮捕することができたと考えられます。
【なぜ犯罪の名前が違うのか?】
ところで、今回逮捕された被疑者は2人いますが、契約社員の30代男性は強制わいせつ罪の疑いで、無職の50代男性は東京都迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されています。
同じタイミングで同じ女性に対して痴漢をした疑いがあるのに、どうして罪名が違っているのかと疑問に思われた方がいると思いますが、これはそれぞれの痴漢行為の具体的な態様が異なるためであると考えられます。
明確な基準が定められている訳ではありませんが、服の上から相手のお尻に触れたという場合は迷惑行為防止条例で、下着の中に手を入れて直接陰部を触ったり弄んだりする行為は強制わいせつ罪として立件される傾向にあるといえます。
報道では、30代の男性は女性の下半身を触った疑いがあり、50代の男性は性の体に自身の下半身を押しつけた疑いがあるとのことで、それ以上の具体的な行為の態様は明らかではありませんが、被害に遭った女性の証言などからそれぞれ強制わいせつ罪と東京都迷惑行為防止条例5条1項1号違反に当たる行為をした疑いがあると警察が判断したと考えられます。
ちなみに、強制わいせつ罪の法定刑は6カ月以上10年以下の懲役で、東京都迷惑迷惑行為防止条例5条1項1号に違反した場合の法定刑は6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金となっていて(同条例8条1項2号)、強制わいせつ罪の法定刑の方が重く処罰されることになります。
【他の人は罪に問われないのか?】
報道では、被害者の女性は5人ほどの男性に不自然に囲まれて痴漢の被害に遭ったそうです。
このうち2人の男性は今回逮捕された30代男性と50代男性ですが、女性を囲んでいた他の男性も痴漢行為をしたのであれば当然罪に問われますし、仮に痴漢行為をしていなくても、女性の逃げ道をふさぐ等の方法で、他の人が痴漢行為を行いやすくしたのであれば、強制わいせつ罪や東京都迷惑行為防止条例違反の幇助犯(刑法62条1項)として処罰される可能性があります。
また、さらに進んで幇助犯としてではなくて刑法60条が定める共同正犯として処罰される場合もあります。
共同正犯は自分が痴漢行為をしていなくても痴漢行為をしたものとして、痴漢行為をした人と同じ罪が成立する場合を言い、刑法63条1項で刑の減軽が定められている幇助犯と異なって、法律上減刑が定められていません。
そのため、今後の捜査状況によっては、残りの男性についても警察の捜査が及んで罪に問われる可能性があると考えられます。
【痴漢行為を認める場合の弁護活動】
混雑した電車内での痴漢事件の場合、痴漢行為を実際にしたかどうか、仮に被害者の身体に触れたとしても故意ではなかったということが裁判で争われるケースが珍しくないですが、捜査段階において、そのような事実関係について争わずに痴漢行為を認めるのであれば、被害者の方と示談を締結することが非常に重要になります。
被害者の方と示談を早期に締結することができれば、検察官による起訴を回避して、前科が付くことを避けることも可能になるでしょう。
このような示談交渉は、示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所で、痴漢事件での示談交渉の経験が豊富な弁護士が在籍しております。
痴漢事件で被害者の方との示談をお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【解決事例】痴漢の逮捕事例で早期釈放と不起訴獲得
【解決事例】痴漢の逮捕事例で早期釈放と不起訴獲得
成人男性による痴漢の迷惑行為防止条例違反被疑事件の刑事弁護活動とその結果について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
【被疑事実】
本件は、男性被疑者Aが、女性被害者Vに対して、走行中の電車内において、携帯電話のバイブレーション機能や小型のバイブレーターを使用して、Vの下半身に押し当てたという事例です。
AはVに痴漢の行為者として同行を求められ電車を降り、その後駆け付けた警察官によって痴漢による迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されました。
【刑事弁護の経緯 身柄解放活動】
Aのご両親と弁護士契約を締結した段階で、Aは逮捕され警察署に留置されていたため、弁護活動の初動は、Aが逮捕に引き続いて身体拘束(勾留)されることを阻止することから始まりました。
Aのご両親を身元引受人として、Aが釈放された場合でも、ご両親がAをしっかり監視・監督し、Aが逃亡したり証拠隠滅したりして今後の刑事手続きに悪影響を与えることのないよう監督方法を立案し、ご両親に実行いただくよう誓約してもらい、書面(上申書)にまとめました。
弁護士は、上記上申書に加えて、本件ではAの勾留の必要はなく在宅の捜査で足りるとする弁護士意見書を取りまとめ、勾留の請求を判断する権限を持つ検察官に意見書を提出しました。
結果、検察官は勾留請求をすることなく、Aは釈放されました。
以後、刑事事件手続は、在宅捜査へ切り替わりました。
【刑事弁護の経緯 終局処分に向けて】
Aの釈放後、Aが被疑事実を認め、Vに対して謝罪と被害弁償を望んでいることから、検察官を介してVに示談の意向を伺いました。
電話による示談交渉の末、示談の合意に至ったため、Vに弊所までお越しいただき示談書を取り交わしました。
その際、Vから、示談の成立を以てAのことを許し刑事処罰を求めないとする宥恕文言をいただくことができました。
その後、検察官に対して示談が成立したことを報告し、示談書の写しを提出しました。
最終的に、検察官は本件を不起訴処分とする決定を下し、刑事事件は終了しました。
【依頼者からの評価】
本刑事事件は、Aの逮捕から不起訴処分の決定まで、約5週間ほどで解決に導くことができました。
事件が不起訴処分となった点も依頼者から高く評価していただきましたが、Aが会社員であり、もし勾留が決定してしまった場合、Aに大きな社会的損失が生じていただろうと危惧され、本件で早期にAの釈放ができて前記懸念を回避できたため、A本人から大変高く評価していただきました。
【刑事事件の解決のために】
上記刑事事件のように、ご家族が逮捕されてしまった場合、勾留が決定することを阻止したり、または勾留が決定した場合でも不服申立て(準抗告)を行って、できるだけ早期に被疑者の釈放を求めていくことが私選弁護人の強みです。
国選弁護人は、勾留が決定した後に被疑者が選任する権利を得るため、勾留の決定を阻止するという身柄解放活動はできません。
痴漢の迷惑行為防止条例違反の刑事事件化の可能性でお悩みの方、またはご家族が逮捕されてお悩みの方は、痴漢事件の早期釈放や不起訴処分獲得に実績のある、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への弁護の依頼をご検討ください。
飲酒痴漢事件で起訴猶予による刑事処罰回避
飲酒痴漢事件で起訴猶予による刑事処罰回避
飲酒して酔った勢いで痴漢をして刑事事件化した場合に、起訴猶予による不起訴処分を獲得して刑事処罰を回避するための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
東京都綾瀬市在住のAさん(40代男性)は、居酒屋で飲酒して泥酔状態になり、記憶が無いような状態で、他の客の女性の身体に触ったとして、被害者女性に警察を呼ばれた。
Aさんは、駆け付けた警察官とともに、警視庁東村山警察署に任意同行して、東京都迷惑行為防止条例違反(痴漢)で事情聴取を受けた。
警察の事情聴取で、事件の調書が作られた後に、警察官より「また後日にも、取調べに呼ぶ」と言われ、Aさんの家族が身元引受に呼ばれて、Aさんは自宅に帰された。
Aさんには、過去の前科前歴は無く、痴漢事件の初犯だったため、「なんとか不起訴処分を得て、前科を回避できないか」と考えて、刑事事件に強い弁護士の法律相談に行き、今後の警察取調べ対応や、被害者との示談交渉につき、刑事弁護を依頼することにした。
(事実を基にしたフィクションです)
【痴漢事件の起訴判断までの流れ】
痴漢事件などの刑事犯罪を起こすと、まずは、警察署での取調べが行われて、被疑者の話した供述内容が調書にまとめられます。
警察取調べが何日かに分けて行われて、警察の調書作りや証拠集めが終われば、調書等の事件書類が検察庁に送られ、最後に検察取調べが行われます。
検察官は、検察取調べで被疑者の供述を聞き、事件書類を検討した上で、痴漢事件の起訴するか不起訴とするか判断を行います。
検察官による起訴・不起訴の判断によって、事件が起訴されて正式裁判となるのか、あるいは、略式裁判での罰金刑となるのか、あるいは、不起訴処分となるのかが決定されます。
このとき、不起訴処分となる理由としては、「起訴猶予」「嫌疑不十分」「嫌疑なし」「起訴要件を満たさない(親告罪の告訴取下げ等)」などがあります。
不起訴処分を得て、刑事処罰を回避するためには、事件早期の段階で弁護士に相談することで、警察取調べの供述対応や、被害者との示談交渉対応を検討することが重要になります。
【起訴猶予とは】
検察官が起訴・不起訴の判断をする際に、不起訴処分とする理由のうち、実務上最も多いものが「起訴猶予」です。
痴漢事件の内容等に鑑みて「犯罪が成立することは明白」なものの、「訴追の必要がない」と判断された場合には、「起訴猶予」として、事件が起訴されないことがあります。
痴漢事件が「起訴猶予による不起訴処分」として起訴されなければ、その後に刑事処罰を受けることはなく、前科も付かないことになります。
・刑事訴訟法 第248条
「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。」
起訴猶予の判断に当たって考慮される事情として、犯人の性格(性質、素行、経歴、前科の有無、常習性の有無)、犯人の年齢(若年、老年、学生)、犯人の境遇(家庭環境、居住地、職業、両親その他監督保護者の有無)、犯罪の軽重(法定刑の軽重、刑の加重減軽事由の有無、被害の程度)、犯罪の情状(犯罪の動機・原因・方法・手口、社会的影響)や犯罪後の状況(反省の有無、逃亡や罪証隠滅のおそれ、被害弁償や示談の有無)などを総合的に考慮して、被疑者の責任や被疑事実の違法性を判断し、刑事責任の追及をすべき(起訴)か否(不起訴)を判断します。
痴漢事件で刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、まずは、警察取調べの供述対応と、被害者との示談交渉活動につき、被疑者本人とともに弁護方針を検討します。
また、事件担当の検察官に対して、弁護士の側より積極的に働きかけることにより、事件当時の状況や示談成立の事情など、被疑者に有利となる事情を提示し、起訴猶予による不起訴処分の判断が下されるように尽力するなどの弁護活動を行います。
まずは、飲酒痴漢事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
飲酒痴漢事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
電車で痴漢を疑われたら自首すべきか
電車で痴漢を疑われたら自首すべきか
電車内で痴漢行為をしてしまい、自首すべきか悩んでいる方、自首したいと考えている方について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
東京都港区在住の会社員のAさんは、朝の電車での通勤途中に女子大学生Vさんの尻や腰に触ってしまったところ、Vさんが悲鳴を上げて電車内で痴漢騒ぎになったため、痴漢の犯人扱いされることが怖くなって騒ぎに乗じて逃げ出しました。
Aさんは逃亡した罪悪感から、後に逮捕されたり、痴漢による刑事処分が重くなるのではないかと不安になり、インターネットで痴漢の性犯罪について検索したところ、痴漢行為は東京都迷惑行為防止条例に抵触し、罰金刑や懲役刑の可能性があることを知りました。
同時に、Aさんは、刑事事件では自首することで刑事処分が軽くなる可能性があると知り、警視庁愛宕警察署に自首した方が良いのか悩んだ末、刑事事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(※フィクションです。)
【痴漢等の刑事事件に心当たりがあればすぐに自首すべきか?】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、自分の行った行為が犯罪行為に該当し刑事事件化するのか不安となり、法律相談にご来所いただくケースがありますが、その際、被疑事実について自首すべきかについても合わせてご不安を抱いている方が多いです。
では、痴漢の被疑事実について自首すべきかという点について、頭書痴漢事例とは別に、下記痴漢事例もご紹介します。
平成31年1月26日午前7時40分頃、JR中野駅付近を走行中の電車内で、男が女子高校生に痴漢行為を行い、男と女子高生、その母親で一緒にJR中野駅で降りたところ、男は突然線路に飛び降り、新宿方面に逃走したため、母親が「娘に痴漢した男が線路に飛び降りて逃げた」と110番通報をし、警視庁中野警察署が東京都迷惑防止条例違反(痴漢)の疑いで、逃げた男の行方を追っています。
このように被疑者がある程度特定される可能性の高い状況にあり、かつ犯行現場から逃走したような場合は、警察の捜査によって被疑者が特定され、逮捕される可能性が高いと思われます。
この場合、一度刑事事件に詳しい弁護士に相談して法的アドバイスを得たり、場合によっては弁護士と同行の上で、警察に出頭するという選択もあるでしょう。
しかし、頭書の痴漢事例のように必ずしも被疑者本人が痴漢行為を行ったと積極的に認めていない場合には、必ずしも出頭することが最善の選択肢とは限りません。
被疑事実と本人の認識や、その被疑事実での逮捕リスクの可能性や刑事処分の方向性について事前に刑事事件に詳しい弁護士に相談し、自首することのメリットとデメリットを把握することをお勧めします。
刑事事件化の前後を問わず、痴漢の被疑事実について自首すべきかお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
電車内で痴漢行為の性犯罪で逮捕
電車内で痴漢行為の性犯罪で逮捕
電車内での痴漢・わいせつ行為等の性犯罪に関する刑事手続きと刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
<刑事事件例>
会社員Aさんは、会社の飲み会のため帰宅時間が遅くなり、JR山手線の池袋駅付近を走行中の電車に乗ったところ、近くに酒に酔って寝ていた若い女性Vさんがいました。
Aさんは乗客が少ないことに乗じ、Vさんの隣に移動し、酒に酔って眠っていたVさんの上着のボタンを外し、胸を触りました。
被害に気付いたVさんは、大声をあげて周囲に助けを求め、次の駅でAさんは降ろされ、駅員が110番通報し、Aさんは駆けつけた警視庁池袋警察署によって、準強制わいせつ罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです。)
【電車内での性犯罪】
令和2年4月16日、大阪メトロ御堂筋線中津駅のホームで少女に性的暴行を加えるなどしたとして、強制性交等罪などの罪に問われた無職男性被告人に対し、大阪地方裁判所は、懲役8年(求刑・懲役9年)の実刑判決を言い渡しました。
この事件は、2019年6月23日、走行中の電車内で少女の下半身を触るなどした上、降車した駅のホームで少女の体を押さえつけ、性的暴行を加えたとの事実に加え、電車内や路上で10から20代の女性4人にわいせつ行為を繰り返した疑いで、強制性交等罪などの罪で起訴されたもので、判決に際して「強度のわいせつ行為を執拗に繰り返し、刑事責任は重大だ」と裁判長の意見がなされました。
強制性交等罪(刑法第177条)の法定刑は、5年以上の有期懲役であることから、本事件においては悪質な性犯罪を厳しく取り締まる裁判所の立場を見ることができます。
上記刑事事件例1については、眠っている女性に対する性犯罪を取り上げています。
刑法第178条では、人の心神喪失または抗拒不能に乗じたり、または人を心神喪失させ、もしくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした場合、強制わいせつ罪と同じく6月以上10年以下の懲役を科すとしています。
本来、強制わいせつ罪では、被害者に対して暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をすることが要件となっていますが、被害者の性的自由が侵害されやすい心神喪失や抗拒不能という状況をつくったり、利用したうえでわいせつ行為に及ぶことは、暴行・脅迫に比類するとして、同等の刑事責任を負うことになります。
上記刑事事件例のように、電車内での居眠りという抗拒不能状態を利用したわいせつ行為も従来からありますが、昨今では、強力な睡眠薬等を飲料に混ぜて女性を昏睡させてわいせつ行為におよぶデートレイプドラッグという例も話題になっています。
準強制わいせつ罪の刑事事件では、被疑事実の否認や、大筋のわいせつ行為は認めるものの、被害者と被疑者の供述が食い違う場合も多い傾向にあります。
このような性犯罪では、被疑事実を否認するのでない限り、被害者に対する謝罪と損害賠償を通じて被害者の処罰感情を緩めていくことが有効ですので、このような事件は、刑事事件に詳しい弁護士に依頼し適切な対応を探っていくことが大切です。
電車内での痴漢行為による性犯罪で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご検討ください。
痴漢で冤罪を主張したい
痴漢の故意を否定したい 痴漢冤罪を主張したい
痴漢行為の疑いで刑事事件の被疑者となってしまい、被疑事実を否定したい、冤罪だと主張したい場合の対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
東京都品川区在住の会社員Aさんは、近隣のスポーツジムで女性利用者Vとすれ違った際にお尻を触られたと言われ、Vがジム関係者に痴漢被害を訴えたため、後日、警視庁荏原警察署の警察官によって東京都迷惑行為防止条例違反の疑いで任意の事情聴取を求められました。
Aさんは、Vとすれ違う際に接触したかもしれないが、それは故意によるものではなく、痴漢の意図があったわけでは無いとして、痴漢行為に対する冤罪を主張したいと思っていました。
しかし、警察官の取調べを前にして、どのように冤罪を適切に主張するか方法が分からず、取調べの圧力に屈した結果、意図的にVの尻に触った旨の供述をしてしまい、その旨の調書が作成され、家を帰されました。
AさんはVに対して謝罪する気持ちはあるものの、痴漢行為という刑事責任を負うほどのことはしたつもりはないと冤罪を主張したいと思っていますが、意に反して被疑事実を認める調書を作ってしまったことに不安を感じ、刑事事件を専門とする弁護士に法律相談をすることにしました。
(※フィクションです)
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる各都道府県の迷惑行為防止条例違反の痴漢事案の法律相談の中で、痴漢の事実を否認したい、冤罪であると主張したいとお悩みの方がしばしばいらっしゃいます。
原則的に、刑法では、罪を犯す意思(故意)が無い行為は罰しないとされています(刑法第38条第1項)。
刑法学では、刑事上の責任が生ずるには、犯罪の構成要件に該当すること、その行為が違法であること、その行為者に責任があることの3要素が必要であると解されており、罪を犯す意思(故意)が無い場合は、行為者に責任が無いと解されるのが一般的です。
※犯罪の構成要件において罪を犯す意思(故意)を要件としている犯罪もいくつかあります。
東京都迷惑行為防止条例で規定される痴漢処罰の規定では、第5条第1項で「何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為(中略)をしてはならない。」としつつ、第1号で、「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。」を禁止しています。
この規定違反で処罰するためには、少なくとも、他人の身体に直接もしくは衣服に触れることについての故意(自発的に触る意思)が必要であると解されます。
この点、痴漢の故意を否認する方、冤罪を主張したい方の言い分として、「意図せず触れてしまった」「自分の持ち物の一部が被害者の身体に触れてしまった」等の主張が多く見られます。
確かに、混雑した電車内やバス内、または狭い道でのすれ違い際など、他人と体が密着してしまう状況では痴漢冤罪が発生しやすい状況にあると言え、実際にやむを得ず触れてしまったケースは少なからずあるかもしれません。
実際、弊所で受任となった迷惑行為防止条例違反の痴漢事案において、弁護士を通じて済々と事実を主張していった結果、示談することなしに被害者が被害届を取り下げるに至った事案がありました。
つまり、被害者も自分が触られたことについて、被疑者が意図的に自分に触ったかどうかは確信がないまま被害を主張したため、調べを進めていくうちに被害の主張を取り下げに至ることもあるということです。
他方で、被疑者の方の中には、他人の身体に触れたか否か認識が明確ではない方も多く存在し、そのような方が痴漢をしていない、冤罪だと主張したいと希望する一方で、早急な事案の解決を優先するならば、自分の主張は曲げて、被害者と示談することで早期かつ円満な事件終了したいとの意向を持つことが多く見受けられます。
この場合注意すべき点として、原則として、示談とは被疑事実を認め、事実を謝罪し被害弁償を申し出ることが前提となります。
そのため、形式上は被疑事実を認めるスタンスとなるため、心の片隅で冤罪主張をしたいと考える方は、今一度自分の立場と主張の優先順位を考えていただくことが必要です。
様々な要素を検討し、自分の最善と思える方向へ進むためにも、痴漢の刑事事件では、刑事事件を専門とする経験豊富な弁護士に相談し、必要であれば示談等を早急に対応してもらうことを強くお勧め致します。
痴漢の刑事事件で冤罪を主張したい、または早期に示談をしたい、またはどうしてよいのか分からないとお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。
少年が夜間に痴漢する性犯罪
少年が夜間に痴漢する性犯罪
少年が夜に家を出て痴漢等の性犯罪を行った場合の法的責任とその手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
<刑事事件例1>
東京都渋谷区在住の高校生Aさん(17歳)は、近所の娯楽施設において、上りエスカレーターの右側を追い越す際に、左側に立っていた女性客のお尻を触ったとして痴漢騒ぎを起こし、駆け付けた店員に取り押さえられました。
Aさんは通報を受けた警視庁代々木警察署の警察官によって東京都迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕され、Aさんが逮捕されたと連絡を受けた家族は、Aさんがどのような処分を受けることになるのか不安となり、刑事事件に詳しい弁護士事務所に相談することにしました。
<刑事事件例2>
東京都渋谷区在住の高校生Aさん(19歳)は、夜間、近所を自転車で徘徊しながら、一人で歩いている女性を狙って、自転車で追い抜き際に女性の胸や尻を触る等の痴漢行為を行っていました。
この被害の相談を受けた警視庁代々木警察署は夜間の見回りを強化した結果、被害者の供述と一致する少年Aさんが夜に代々木内を自転車で徘徊しているのを発見し、発生している性犯罪事案について事情を聞いたところ、Aさんが自分が性犯罪を行ったと認めたため、警察はAさんに警察署まで同行を求め、詳しく事情を聞き、その後、強制わいせつ罪の疑いで逮捕しました。
代々木警察署からAさんが逮捕されたと聞かされたAさんの両親は、Aさんが今後どのような処分を受けることになるのか不安となり、刑事事件に詳しい弁護士事務所に相談することにしました。
(フィクションです)
満20歳に満たない少年(女子も含みます)が起こした犯罪を少年事件といいます。
本来、少年事件は、警察または検察庁から家庭裁判所に送られ、審判を受けるかどうかが決まります。
しかし、上記刑事事件例2のように20歳の成人に達する期間が切迫している場合、たとえ行為時に少年であっても、その後捜査機関の捜査中において20歳になった場合、具体的には、家庭裁判所の審判開始時点で少年ではない事件については、以後は刑事事件として扱われ、事件は検察庁に戻され、成人として刑事処分を受けることになります。
少年事件と刑事事件では、その手続きの目的が大きく異なります。
少年事件では、罪を犯した事実の認定と並行して、少年の更生のための環境づくりが求められます。
他方、刑事事件では、罪を犯したかどうかを見極め、罪を犯したと認められる相当の理由がある者を処罰します。
結論から言うと、少年事件と刑事事件ではどちらが被疑者にとって有利であるかとは一概には言えません。
少年事件としての扱いであれば、前科がつくというリスクは無くなりますが、家庭裁判所の判断によって保護処分を受けることがあり得ます。
特に、性犯罪の少年事件においては、今の環境のままでは本人の性意識の更生が難しいと判断された場合には、少年院送致が決定される場合もあり得ます。
他方、刑事事件であれば、早期の示談成立等によって不起訴を勝ち取ることができれば、そのまま社会生活に戻ることができます。
このような複雑な事案では、弁護人は被疑者およびそのご家族の意向を斟酌し、依頼者にとって最善の方法で弁護活動を行います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件のみ扱う法律事務所であり、上記刑事事件例のような痴漢の性犯罪を含めて、多くの刑事事件および少年事件で実績を挙げています。
少年が夜に家を出て行う痴漢などのによる性犯罪で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。
駅で痴漢をして線路を逃走
駅で痴漢をして線路を逃走
駅構内や電車内等で痴漢などの性犯罪を行い、身元特定や逮捕を免れるために線路に逃走するケースに生じる法的問題について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
埼玉県在住の会社員Aさんは、会社通勤途中のJR上尾駅のホームにて、近くに立っていた女性会社員Vさんの身体を触る等の痴漢行為を行いました。
近くにいた別の女性がAさんの痴漢行為を指摘して鉄道警察を呼ぼうとしたため、痴漢行為によって逮捕されることを恐れたAさんは、線路へ降りて線路上を逃走しました。
その後、埼玉県警上尾警察署は、監視カメラと目撃者の情報からAさんの身元を解明し、Aさんは埼玉県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の疑いで逮捕しました。
(フィクションです。)
【駅での性犯罪後、線路へ逃走】
上記刑事事件例は、平成30年4月、JR新宿駅の電車内で会社員の女性を盗撮したとして駅員から事情を聴かれていた男性が、埼京線のホームから線路上に立ち入り、複数の線路を横断して敷地外に逃走したとして、東京都迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
また、令和元年8月、埼玉県さいたま市南区のJR南浦和駅で、線路内に何者かが立ち入りそのまま逃走したとして、非常ボタンが押されたところ、その原因としては、埼玉県在住の30歳代女性が駆けつけた警察官に対し、「線路に逃げた人に体を触られた」と痴漢被害を訴えたため、埼玉県警が埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで詳しい状況を調べています。
このように、駅や電車内での痴漢や盗撮等の性犯罪後、逮捕を免れるために線路上を逃走する背景には、一部では、電車内での性犯罪の発覚を免れる手引きやマニュアルを記載する闇サイト的存在があり、あえて線路上を逃走することで、電車の運行システムを混乱させたり、安全確認の手間を増やすことによって、犯人の特定を遅らせることができるからだ、という説もあるようです。
警察関係者の意見によれば、「線路なら追跡されにくいと考えていると思われるが、確かに追う側も事故に遭う危険性があり、容易には飛び降りることはできない」と話しており、過去5年ほどの電車内や駅構内で発生した痴漢の性犯罪で被疑者が線路を逃走した事案について、警察官が現場に到着する前に被疑者が逃走に成功するケースがあり、被疑者の特定に至らなかったこともあるようです。
もちろん、警察関係者も「線路から敷地外に出られる付近の防犯カメラを洗い、検挙に全力を尽くす」と表明しており、性犯罪後に線路上を逃走して刑事事件化した場合、威力業務妨害罪や鉄道営業法違反、新幹線特例法違反の罪が成立する場合があり、併合罪として重く罰せられる可能性が高いでしょう。
それだけでなく、故意の線路立入により鉄道事業者に損害を与えた場合には、鉄道会社から高額の民事上の損害賠償請求を受けることもあり得るでしょう。
このような場合、性犯罪の被害者に対する示談以外に、鉄道会社に対する対応が必要な場合も考えられ、様々な刑事事件の示談に経験豊富な弁護士に依頼することが望ましいでしょう。
駅や電車内で性犯罪をして、その後線路を逃走して刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談、または初回接見サービスをご検討ください。
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