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痴漢で勾留前の釈放
痴漢で勾留前の釈放
東京都千代田区に住むAさんは、電車内で痴漢をしたとして警視庁万世橋警察署の警察官に逮捕されました。Aさんは、逮捕後、万世橋警察署内の留置場へ収容されましたが、検察庁へ送致される前に釈放されました。自宅へ帰ったAさんは妻と相談した結果、刑事事件専門の弁護士へ示談交渉を依頼しました。
(フィクションです。)
~ 勾留前に釈放されることがある ~
皆さんは、逮捕されても勾留される前に釈放されることがあることをご存知でしょうか?
釈放は、①警察、②検察、③裁判所の3段階に分けられます。警察で釈放される理由は、要は、「逮捕の必要」がなくなった場合、検察、裁判所で釈放される場合とは、「勾留の理由」や「勾留の必要」が認められない場合が通常だと思われます。そこで、そもそも、「逮捕の必要」、「勾留の理由」、「勾留の必要」とは何なのかご説明いたします。
~ 「逮捕の必要」とは ~
「逮捕の必要」とは、被疑者の逃亡、あるいは罪証隠滅等を防止するため、被疑者の身体の拘束を要する場合をいいます。刑事訴訟法規則143条の3は「逮捕の必要」に関し、
逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らし、被疑者に逃亡する虞がなく、かる、罪証隠滅する虞がない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない
としています。つまり、被疑者に逃亡、罪証隠滅のおそれがあるかどうかは、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らして判断するということになり、警察官もこの基準を参考に被疑者を釈放するか否か判断しているものと思われます。
* 身元引受書を書かせる意味 *
逮捕の通知を受けたご家族が、警察署において身元引受書にサインすることを求められることがあります。これは被疑者の逃亡のおそれを担保するためのもので、このサインを求められる場合は「釈放の可能性がある」と考えてもいいかもしれません。
~ 「勾留の理由」とは ~
「勾留の理由」とは
・被疑者が罪を犯したを疑うに足りる相当の理由があること
に加え
・住居不定
・罪証隠滅のおそれ
・逃亡のおそれ
のいずれかの事由に当てはまることをいいます。「逮捕の理由」が「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」があることであったのに対し、勾留の場合、上の3要件が必要とされていることが異なります。
~ 「勾留の必要」とは ~
「勾留の必要」とは、事案の軽重、難易、捜査の進展状況、被疑者の年齢や健康状態など、全ての事情を総合的に判断して、勾留が相当であるといえる場合のことをいい、勾留することによる利益と勾留を受ける被疑者の被る不利益を比較衡量(簡単に言うと「天秤にかける」)して判断されます。
~ 釈放された場合の流れ ~
釈放された場合、自宅に戻り、通常の生活を送ることができます。しかし、刑事事件としては決着がついたわけではありません。身柄事件の場合と同様、警察官、検察官の取調べを受けるなどします。身柄事件の場合と異なり、時間的制約がありませんから他の事件の処理に追われ、事件の処理を「後回し」にされるという可能性もなくはありません。したがって、釈放から取調べまでに1か月以上かかるということもなくはありません。
反対に、警察官や検察官によっては、早く処理をして事件を終わらせたいと考える人もいます。在宅事件の場合、法的に弁護人を付けなさいという制度はありませんから、
・示談交渉を検討している、あるいは示談交渉中なので、事件処理を待ってもらいたい
などという方は、早めに弁護士を選任し、示談交渉に入ってもらいましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件をはじめとする刑事事件、少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件、少年事件でお困りの方は、まずは、お気軽に0120-631-881までお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
痴漢で逃げることは得策か?
痴漢で逃げることは得策か?
東京都八王子市に住むAさんは、出勤途中の満員電車内で、前にいた女性Vさんから「今、痴漢しましたよね?」と言われました。Aさんは、何のことか分からず「やってません」と答えましたが信じてもらえず、周囲にいた男性2名と共に、次の停車駅で降ろされてしまいました。Aさんは、さらにVさんに「嘘はだめですよ。」「正直に話した方がいいですよ。」「でないと警察呼びますから。」と言われたことから、「逮捕されたら面倒なことになる」と思い、その場から逃げ出しました。Aさんは、改札機を通れば駅員に見つかると思い、線路内におり、そのまま走ってフェンスを乗り越えました。しかし、後日、Aさんは警視庁南大沢警察署の警察官に東京都迷惑行為防止条例違反で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~ はじめに ~
痴漢を疑われた場合、一刻も早くその場から出だしたいという気持ちになられることは理解できます。しかし、そのことが本当に得策なのか考えてみたいと思います。
~ 現場から逃げると逮捕のリスクが高まる ~
逮捕は、その人が、罪を犯したを疑うに足りる相当な理由があり、罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれが認められる場合にできるものです。逮捕する捜査機関側からすれば、現場から逃げる→罪を認めない→罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれあり、という思考回路をとりがちです。したがって、残念ながら、現場から逃げることは逮捕のリスクを高めることに繋がってしまいます。また、その後の勾留においても同様です。
* 逮捕された場合の周囲の反応は? *
あくまで逮捕段階では
無罪の推定
が働いています。ですから、逮捕=有罪=罪を犯した、というわけではないのです。しかしながら、法律の素人である一般の方々は「逮捕」という言葉に敏感に反応し、逮捕=有罪=が罪を犯した、と考えてしまう嫌いがあります。したがって、仮に、刑事裁判を受ける前に釈放されたとしても、痴漢というレッテルと張られ、
会社にいづらくなる→会社を辞める
ということにもなりかねません。
~ 他の罪に当たるおそれも ~
線路に立ち入った場合は鉄道営業法の37条に違反するおそれがあります。鉄道営業法は明治時代に作られた法律で、規定が古くて読みづらいですがここでご紹介します。
鉄道営業法37条
停車場其ノ他鉄道地内ニ妄ニ立入リタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス
つまり、鉄道地内にみだりに立入った場合は科料(1000円以上1万円未満の金銭の徴収)に処される、と書かれてあります。科料も立派な刑罰の一つです。「十円」というのは鉄道営業法制定当時の経済事情を考慮して決められたことから、現在は罰金等臨時措置法により金額が修正されています。なお、新幹線の敷地内に立ち入った場合は、鉄道営業法ではなく、新幹線特例法(正式名称は「新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法」)の適用を受け、科料にとどまらず、1年以下の懲役または5万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
その他、立入り関連で成立し得る犯罪としては、刑法に定める往来危険罪(刑法125条1項)や過失往来危険罪(刑法129条1項)です。前者の法定刑は2年以上の懲役、後者は30万円以下の罰金です。いずれも、抽象的に、「電車の往来の危険を生じさせた」ことが要件となります。この点、鉄道営業法ではこの危険を生じさせなくても、立ち入っただけで成立します。
~ 逃げる以外の方法は? ~
これまで見てきたように、現場から逃げることは様々なリスクを生じさせるといえそうですから、得策とはいえません。では、どうすればいいかといえば、まずは
「やってない」
ときっぱり主張することでしょう。駅員や警察官からは、あなたに痴漢を認めさせようといろいろ説得されることがあるかと思います。しかし、本当にやっていないなら、正々堂々と「やっていない」と言っていいですし、言わなければなりません。ここであやふやな回答をしてしまうと、後々不利になったり、面倒なことになりかねません。
そして、最悪逮捕されてしまった場合は、痴漢事件の経験のある弁護士に助言を求めましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件を起こしお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間,無料法律相談,初回接見サービスを受け付けております。
痴漢を否認して逮捕
痴漢を否認して逮捕
会社員のAさん(35歳)は、埼玉県さいたま市中央区にある勤務先の最寄り駅に向かう満員電車内において、前に立っていた女子高生Vさんの臀部付近をスカートの上から触りました。Aさんは、駅で降りるとVさんに呼び止められ、「さっき触りましたよね?」「痴漢しましたよね?」と言われました。辺りが騒然となったことから、Aさんは、駆け付けた駅員に事情を聴かれることになりました。その後、埼玉県浦和西警察署の警察官も駆け付け事情を聴かれました。Aさんは警察官に対し「故意に触っていない」「電車が揺れたのでたまたま当たっただけだ」などと言ったところ、埼玉県迷惑行為防止条例違反で逮捕されてしまいました。逮捕の連絡を受けたAさんの妻が弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
~ 痴漢行為に当たる罪とは?罰則は? ~
いわゆる痴漢行為を疑われた場合は、各都道府県が定めている迷惑行為防止条例(以下、条例)の「卑わいな行為の禁止」の罪に当たるかと思います。概ね、どの都道府県でも「公共の場所」あるいは「公共の乗物」において「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさえるような方法」で「他人の身体に触れ、又は衣服の上から触れる」行為を禁止しています。罰則も、通常は、「6月以下の懲役又は100万円以下の罰金」、常習の場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされていることが多いかと思います。
~ 否認すると逮捕される?Aさんの今後は? ~
Aさんは埼玉県迷惑行為防止条例違反で逮捕されています。逮捕は「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」があると認められる場合にできるものです。ところで、Aさんは痴漢行為の故意を否認しています。通常、犯罪事実を否認すると「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」が高いと判断され、逮捕される可能性は高くなると考えた方がいいでしょう。
ここで、本当に「冤罪だ!」とお考えになる場合は、絶対に痴漢行為を認めてはいけません。警察官は「認めれば釈放されるぞ」「早く家へ帰れるぞ」などと甘い言葉をかけて痴漢行為を認めさせようとします。しかし、身柄拘束という大変な状況に置かれていることは分かりますが、ここで痴漢行為を認めてしまうと後でその供述を覆すことに大変な時間と労力を要します。絶対に認めてはいけません。
他方で、「いきなり逮捕されてしまってとっさに否認してしまった」「本当は認めたいんだけど、どうすればいいか分からない」という方もおられるかと思います。そんなときは、以下でご紹介する接見等で弁護士にご相談いただければと思います。
* 逮捕された後は? *
警察官の下で釈放するかしないか判断され、釈放されない場合は、逮捕時から48時間以内に検察官のもとに送致されます。そして、今度は、検察官のもとで釈放するかしないか判断され、釈放されない場合は、送致されたときから24時間以内に勾留請求の手続が取られます。勾留請求されたら、今度は、裁判官の下で、釈放するかしないか判断されます。釈放されない場合は「勾留状」という令状が発布され、その令状に基づき勾留されます。最初の勾留期間は10日間で、その後「やむを得ない事由」がある場合は最長10日間期間が延長されるので、最悪の場合20日間勾留が続いてしまいます。
~ 弁護人による初回接見 ~
刑事事件において、被疑者・被告人をサポートする弁護士は弁護人と呼ばれることになります。
逮捕直後は,弁護人以外の者(ご家族等)との接見は法的には認められていません。しかし、弁護人であれば,曜日,時間に関係なく,立会人なしに,無制限に接見できます。弁護人の接見では,逮捕された方から何をしたのか,容疑を認めるのか,認めないのかなど十分にお聴き取りをした上で,今後の見通しや容疑,認否に応じたアドバイスをさせていただくことができます。特に、Aさんのように痴漢行為を認めない場合、認めるかどうかあやふやな場合は弁護人からアドバイスを受けることが非常に重要です。弁護人の接見後は,ご家族様など接見を依頼された方に接見で得た内容をご報告させていただきますのでご安心ください。接見前に,ご家族様からご伝言をお預かりすることもできます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は痴漢事件をはじめとする刑事事件、少年事件を専門とする法律事務所です。痴漢事件をはじめその他の刑事事件、少年事件でお困りの方は、まずは、お気軽に0120-631-881までお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
(埼玉県浦和西警察署までの初回接見費用:36,400円)
偶然手が当たり痴漢事件に
偶然手が当たり痴漢事件に
~ケース~
大阪府大阪市在住の大手企業の取締役であるAさんは、職場までOsaka Metroの電車を使って通勤していた。
Aさんが通勤に利用する路線は通勤ラッシュで常に満員電車となっていた。
ある日,Aさんが通勤していたところ,手の甲が前方に立っているVさんの臀部に当たっていることに気が付いた。
Aさんは手がVさんに触れていないようにしようと動かしたところ,Vさんは痴漢をされていると思いAさんの腕を掴んだ。
Aさんは次の停車駅でVさんに降車させられ駅員室に連れていかれた。
通報によってかけつけた大阪府天満警察署の警察官にAさんは痴漢の疑いで事情を聞かれることになった。
事情聴取後,逮捕されしまうのではないかと不安になったAさんは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に弁護を依頼した。
(フィクションです)
~痴漢~
他人の身体に触れる痴漢は、各都道府県の制定する迷惑行為防止条例に規定されています。
条文は各都道府県によって若干の違いはありますが、概ね以下のようになっています。
何人も,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような行為であって,次に掲げるものをしてはならない。
一 公共の場所又は公共の乗物において,衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
痴漢の罰則は都道府県によって異なりますが、50万円から100万円以下の罰金または6ヵ月から1年以下の懲役となっています。
大阪府の場合、通常の痴漢で6か月以下の懲役または50万円以下の罰金、常習の痴漢で1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
更に、痴漢の程度が激しければ、強制わいせつ罪として6か月以上10年以下の懲役が科されるおそれがあります。
~事件の流れ~
逮捕状による通常逮捕の場合,逮捕の理由および逮捕の必要性が要求されています。
逮捕の理由とは,被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由が存在していることをいいます。
逮捕の必要性とは,逃亡のおそれおよび罪証隠滅のおそれがあるということをいいます。
そして,逃亡のおそれおよび罪証隠滅のおそれがあるということは勾留の要件にもなっています。
そのため,通常逮捕されてしまうとそのまま検察官による勾留請求が認められてしまう可能性が高くなります。
勾留請求が認められると原則10日間,その後,延長が認められると更に10日間の最長で20日間勾留されてしまいます。
勾留されている間は身柄拘束されますので、その間は会社や学校などに行くことは出来なくなります。
一方,逃亡のおそれがなく,また,電車での痴漢事件ですので罪証隠滅のおそれもないと判断されれば、逮捕されない場合もあります。
今回のケースにおいて、Aさんは大手企業の取締役です。
こうした責任ある立場にあるという事情は、逃亡や罪証隠滅のおそれが低いという評価に結びつきやすいと言えます。
そう判断されれば、逮捕の必要性がないとして逮捕はされずに在宅事件となることも考えられるでしょう。
しかし,今回のようなケースでは逮捕されると、それに続いて勾留されてしまい会社に行くことができなくなる危険性があります。
そのため,逮捕されてしまった場合には勾留を阻止する活動が重要になります。
具体的には、検察官に勾留請求をしないように求める意見書を提出したり,勾留請求が認められてしまった場合に準抗告という不服申立てをしたりします。
これらが認められれば、Aさんは釈放となり身柄解放が実現します。
~弁護活動~
刑法は故意犯処罰が原則となりますので,過失処罰規定がない限り故意がなければ刑罰を科すことが出来ません。
今回の事件は、Aさんが故意に触ったわけではなく,満員電車で触れてしまったというものです。
そのため,刑事裁判となった場合には,事件当時の車内の情況などからAさんが故意に触ったわけではないことを主張することが考えられます。
また,故意でなくとも手が触れてしまった事は事実ですので、迷惑を掛けたとしてVさんと示談交渉をすることも考えられます。
前科がない初犯の場合であれば,痴漢事件は示談の成立により起訴猶予の不起訴処分となるケースが多いです。
ただし,刑事裁判で正式に無罪判決を受けた場合と起訴猶予の不起訴処分となった場合とでは、厳密には意味合いが異なります。
そのため,どのような選択を採るのが最良であるかなどは、刑事事件の弁護経験の豊富な弁護士と相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
痴漢に問われてしまいお困り・お悩みの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
警察署等での初回接見,事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
(事務所での法律相談は初回1時間無料です)
痴漢の実態、勾留後の釈放手段
痴漢の実態、勾留後の釈放手段
会社員のAさんは、兵庫県神戸市内を走行する満員電車内で、正面に立っている女性Vさんのスカートの中に右手を差し入れ、Vさんの尻や腿などを触る痴漢をしたところ、Vさんから。右てを掴まれ「この人痴漢です」と言われてしまいました。Aさんは、次の駅で数人の乗客により降ろされ、駆け付けた兵庫県葺合警察署の警察官に兵庫県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されました。その後、Aさんは勾留されました。Aさんの弁護人は勾留決定に対し準抗告したものの棄却されたことから、次に、勾留取消し請求をしようかと検討しています。
(フィクションです。)
~ 痴漢の実態 ~
警視庁の発表によれば、平成29年中に東京都内で発生した痴漢中、最も発生した時間帯は
午前7時から午前9時の通勤通学時間帯
で、全体の
約30パーセント
を占めていたとのことです。また、痴漢の発生場所は
電車 51.3%
駅 20%
店舗内 11.5%
路上 7.8%
商業施設 2.6%
バス 0.8%
と電車が圧倒的に多く、駅を併せると全体の71.3%を占めています。これは東京都内のデータですが、公共交通機関が発達している地方・地域に住んでいる方はもとより、そうでなくても東京都内や公共の交通機関が発達している地方・地域に出張する機会が多い方、痴漢の性癖などど悩まれている方には参考となる数値ではないでしょうか?
~ 勾留後の釈放手段 ~
勾留後の釈放手段には大きく分けて2つあります。
一つは勾留の裁判に対する「準抗告(不服申し立て)」と,勾留決定の取消しを求める「勾留取消し請求」です。
どちらも,その主張が認められれば,勾留された方を身柄解放できるという点では同じですが,前者が勾留決定を違法であることを前提としているのに対し,後者はこれを適法であることを前提としている点で大きく異なります。
* 勾留取消し(請求)について *
勾留取消しは,勾留自体は適法であるものの,その後に事情の変化が起き,勾留の理由・必要がなくなった場合に請求できるというものです。刑事訴訟法87条1項に規定されています。
刑事訴訟法87条1項
勾留の理由又は勾留の必要がなくなったときは、裁判所は、検察官、勾留されている被告人若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取消さなければならない。
なお、「被告人」とありますが、本項は起訴される前の「被疑者」にも適用されます。
「勾留の理由」とは、
① 被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当の理由があること
に加え、
② 住居不定であること
③ 罪証隠滅のおそれがあること
④ 逃亡のおそれがあること
のいずれかの事情があることをいいます。
「勾留の必要」とは、事案の軽重、難易、捜査の進展状況、被疑者の年齢や健康状態など、全ての事情を総合的に判断して、勾留が相当であるといえる場合のことをいい、勾留することによる利益と勾留を受ける被疑者の被る不利益を比較衡量して判断するとされています。
* 勾留後の事情の変化とは *
「勾留の理由」にも「勾留の必要」にも影響する事情といえば「示談成立」が大きいのではないでしょうか?
痴漢事件の場合、示談が成立すれば、それだけ不起訴処分を獲得できる可能性が高くなり、その分だけ被疑者が罪証隠滅行為を働いたり、逃亡したりするおそれはなくなり、同時に勾留の必要もなくなると考えられるからです。また、逮捕や勾留後に、被疑者固有の事情の変化により、勾留により被疑者の被る不利益が大きいと判断され「勾留の必要」がなくなるケースもあります。例えば、不慮の事故により配偶者が亡くなって子どもを世話する人がいないなどという場合です。
勾留取消し請求は,準抗告に比べて数は少ないと言われていますが,それでも法律上認められている手段です。勾留後は、どんな事情の変化があるか分かりませんから、お困りの方は弁護士に相談しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。
(兵庫県葺合警察署までの初回接見費用:34,900円)
痴漢の罰則,量刑,逮捕後の流れ
痴漢の罰則,量刑,逮捕後の流れ
Aさんは京都府京都市上京区を走行する電車に乗車中,目の前の女性Vさんを見て興奮してしまい,ズボンの上から臀部や腿を触るなどの痴漢をしました。Aさんは,Vさんの隣におり,痴漢の一部始終を見ていたWさんから腕を掴まれ,次の駅で降ろされて駅員室に連れて行かれました。その後,Aさんは通報を受け駆け付けた京都府上京警察署の警察官に連れていかれました。Aさんの逮捕の通知を受けたAさんの妻が,Aさんとの接見を弁護士に依頼しました。
(フィクションです)
~ 痴漢はどのような罪? ~
一般的に「痴漢」と呼ばれる犯罪は,各都道府県の迷惑防止条例(各都道府県によって名称は異なる,以下「条例」といいます)が「卑わいな行為」などとして禁止する罪,もう一つは刑法176条に規定される「強制わいせつ罪」です。
条例に規定される痴漢の罪と強制わいせつ罪との大きな違いは「暴行・脅迫」を手段とするか否かです。「暴行・脅迫」を手段とする場合は強制わいせつ罪が成立します。ただし,女子の陰部に指を挿入するなど暴行それ自体がわいせつ行為であってもよいとされていますので,一見すると条例が適用されるのか刑法が適用されるのか分かりづらく,また,両者を線引きする明確な基準もありません。一応,陰部に指を挿入する行為のほか
・直接胸を揉む
・キスをする
などの行為は,相手方の性的自由を侵害する行為といえ,強制わいせつ罪で処罰される可能性があります。
~ 痴漢の罰則は?量刑は? ~
条例の罰則は,概ね,どの都道府県でも「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされていることが多いようです。また,常習として行った場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされていることが多いようです。他方,強制わいせつ罪の罰則は「6月以上10年以下の懲役」と罰金刑が設けられておらず,懲役刑の長さも条例に比べ長いです。やはり,「暴行・脅迫」を手段としている点,性的自由の侵害が大きい点などから悪質だからでしょう。
* 初犯の場合 *
初犯の場合,条例違反であれば罰金刑で処罰されることが多いかと思います。強制わいせつ罪の場合,懲役刑しかありませんが,執行猶予付き判決が付くことが多いのではないでしょうか。ただし,執行猶予付き判決は「3年以下の懲役」を言渡す場合にのみ付けることができます。懲役刑の長さは1年2か月から2年が相場ではないかと思われます。
~ 痴漢で逮捕された後はどうなる? ~
逮捕されると通常の生活を送ることができませんから,家族,仕事・職場などへの不安は尽きません。
そこで,逮捕後の流れを簡単に説明いたします。
警察に逮捕されると,警察署の留置場に収容されます。そして,警察官の「弁解録取」という手続(被疑者から事件について弁解を聴く手続)を受けます。その上で,釈放か否か判断されます。釈放されない場合は,逮捕から48時間以内に検察庁(検察官)の元へ送致されます。
ここでも,検察官による「弁解録取」の手続を受けます。その上で釈放か否か判断され,釈放されない場合は被疑者を受け取ったときから24時間以内に勾留請求の手続を取られます。
勾留請求されると,今度は,裁判の「勾留質問」という手続を受けます。その上で釈放か否か判断され,釈放されない場合は勾留状という裁判官名義の令状により,指定された場所に収容(勾留)されます。通常は,逮捕されたときの場所と同様,警察の留置施設であることが多いです。
当初の勾留期間は10日間と決まっています(ただし,不服申し立てを行うことにより早期に釈放できる可能性はあります)。その後,やむを得ない事由がある場合は勾留期間を延長されることがあります。
~ 弁護人による身柄解放活動 ~
以上をみると,勾留までに釈放されるタイミングがいくつかあることがお分かりいただけると思います。一つ目は,警察の弁解録取の後,二つ目は,検察官の弁解録取後,三つ目は,裁判官の勾留質問後です。よって,早めに弁護活動をご依頼ただければ,この三者に対し,身柄を拘束しないよう,釈放するよう働きかけることができます。
なぜ,働きかけが必要かというと,基本的に,警察官も検察官も裁判官も,釈放するべき事情を全て把握しているわけではなく,仮に把握していたとしても,特に捜査機関(警察,検察)は全ての事情を酌んでくれるとは限らないからです。また,この段階で働きかけを行うことで,「仮に勾留されても後で不服申し立てをするからね」という圧力をかける意味にもなるのです。そうすれば,勾留前に釈放される可能性を高めることができます。
* 勾留後の不服申し立て *
勾留後は「勾留裁判に対する準抗告」「勾留取消し請求」という手段で釈放を目指します。ともに,釈放を目指すという意味では同じですが,後者は勾留中に勾留の理由又は必要がなくなった場合に申立てできるものです。実務では,前者の手段が多く活用されています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件を起こしお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間,無料法律相談,初回接見サービスを受け付けております。
(京都府上京警察署までの初回接見費用:36,300円)
薬剤師と欠格事由
薬剤師と欠格事由
福岡市南区に住むAさんは薬剤師を目指す大学生(21歳)です。
ところが,ある日,Aさんは,学校の勉強や実習などのストレスから,通学中の電車内において,前に立っていた女性の衣服の上から胸を揉むなどしました。
その場で女性が悲鳴を上げたことから,Aさんは,周囲にいた男性らに取り押さえられ,その後,駆け付けた警察官に引き渡され逮捕されました。
福岡県南警察署から逮捕の通知を受けたAさんのご両親は,「逮捕によって薬剤師の免許が取得できないのではないか」と不安になり,弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
~ 薬剤師と欠格事由 ~
薬剤師など国家資格を必要とする職業は,本質的に職責が重く,国民からの信頼を得られてはじめてその職責を全うできるものです。
ですから,法律で,予め,資格を得られることができない,免許を与えることができない場合(欠格事由)を定め,欠格事由に該当する方には資格を与えない,免許を与えないということにしています。
薬剤師でいえば,薬剤師法に「絶対的欠格事由」と「相対的欠格事由」を定めています。
「絶対的欠格事由」とは,当該事由に該当すれば,必ず免許が与えられない事由のことをいいます。
それに対して「相対的欠格事由」とは,当該事由に該当しても,必ずしも免許が与えられないわけではなく,裁量権者の判断によって決まる事由のことをいいます。
「絶対的欠格事由」は,薬剤師法4条に,
未成年者、成年被後見人又は被保佐人には、免許を与えない。
と規定されています。
それに対して,「相対的欠格事由」は,薬剤師法5条に
次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 心身の障害により薬剤師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、薬事に関し犯罪又は不正の行為があつた者
と規定されています。
~ 痴漢と欠格事由 ~
痴漢行為は,通常,各都道府県が定める迷惑行為防止条例(各都道府県により名称は異なります)に当たります。
そして,罰則については,概ね「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」,常習の場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と定められていることが多いと思われます。
そこで,今回,検討すべきことは,Aさんが「相対的欠格事由」,すなわち,薬剤師法5条3号の「罰金以上の刑に処せられた者」に当たるか否かということになります。
= 罰金以上の刑 =
刑の種類については刑法9条に定められています。
それによれば,刑の種類(主刑)は,死刑,懲役,禁錮,罰金,拘留及び科料です。
そして,刑法10条により,主刑の軽重は,刑法9条に規定する順序によるとされています。つまり,法律上は,死刑→懲役→禁錮→罰金→拘留→科料という順に刑の重さが決められています。
したがって,「罰金以上の刑」とは,罰金,禁錮,懲役,死刑のことを意味することになります。
= 処せられた =
処せられたとは,その罪について裁判を受け,その裁判が確定したことをいいます。
つまり,刑事手続では,逮捕された場合,概ね「逮捕→勾留→起訴→裁判→判決・命令→裁判の確定」という流れをとりますが,この裁判の確定までいってはじめて「処せられた」ということになります。
したがって,
・逮捕されたばかりの方
・勾留中の方
・不起訴処分を受けた方
・裁判中の方
・判決を受けたが,控訴など不服申し立て中の方
などの方は,全て裁判確定前の段階の方であり,「処せられた」者には当たりません。Aさんのご両親も,逮捕の事実で薬剤師の免許が受けられないのではないかとご心配されているようですが,逮捕の事実のみでは欠格事由には当たりませんからひとまず心配なさらなくていいでしょう。
~ 欠格事由を回避するには? ~
そうはいっても,Aさんが起訴されて裁判で「有罪」を受け,罰金以上の刑に処せられる可能性がなくなったわけではありません。
そこで,このような可能性を回避するために,被害者との示談をお勧めいたします。
被害者と示談を成立させることができれば,不起訴処分獲得の可能性が高くなり,よって,Aさんが相対的欠格事由に当たることを回避することも可能となるからです。
ただし,示談交渉はあくまで相手があっての話です。
そもそも示談交渉に応じてくれないということもありますし,応じてくれたとしても示談締結までには至らないこともあります。
また,示談したからといって必ず不起訴処分になるわけでもありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
痴漢事件を起こしてしまい欠格事由にお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。
(福岡県南警察署への初回接見費用:35,900円)
陰部画像送信のサイバー痴漢
陰部画像送信のサイバー痴漢
東京都在住のAさんはスマートフォンの機能を用いて電車内の不特定多数の利用者とデータ共有ができることに気が付いた。
そこでAさんは軽いいたずらの気持ちで東京都葛飾区内を走行する電車内においてデータ共有機能を用いて男性の陰部の写真を送信した。
偶然電車内にいた警視庁葛飾警察署のXが画像を受信し,画像送信はAさんによるものであると気が付いた。
AさんはXに東京都の迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕され,警視庁葛飾警察署に連行された。
電車内にはAさんとXを含め数人しか乗客がいなかった。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を依頼した。
(フィクションです)
~サイバー痴漢~
サイバー痴漢とはスマートフォン等のデータ共有機能を用いて不特定多数の人に卑わいな画像を送りつけるといった行為をいいます。
「痴漢」とは一般的には電車内などで男性が女性の臀部に触れるというような行為と認識されています。
世間一般で言われる痴漢は各都道府県の制定する迷惑防止条例に規定されており,条文は概ね以下の通りになっています。
何人も,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような行為であつて,次に掲げるものをしてはならない。
(1)公共の場所又は公共の乗物において,衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
(2)および(3)盗撮行為のため省略
(4)前号に掲げるもののほか、人に対し、卑わいな言動をすること。
この条文の(1)が世間一般で言われる痴漢行為になります。
ところで,(4)の「卑わいな言動」とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
刑法や条例などの刑罰を科す法律は誤って不利益を受ける人が生じないように明確に規定されなくてはいけないとされています。
これについては最高裁判所が平成20年に以下の様に判示しています。
「(卑わいな言動とは)社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいう」
(この事件は女性を追いかけて臀部の写真をズボンの上から約10枚撮影したというものであり,裁判官1名の反対意見が付されています。)
今回のケースで不特定多数の人に対して男性の陰部の写真を送るという行為は,最高裁判所のいう「社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな動作」に該当してしまう可能性が高いでしょう。
~弁護活動~
「卑わいな言動」に対する刑罰は、他人の身体に触れる痴漢と同じ刑罰となっています。
各都道府県によって差異はありますが,6月以下の懲役又は50万円以下の罰金となっている場合が多いです。
世間一般で痴漢と言われる行為については、常習でなければ罰金刑となるケースが多いようです。
また,犯行態様が悪質でなく前科のない初犯であるような場合には、被害者の方と示談を成立させることによって、不起訴(起訴猶予)となる場合もあります。
今回のケースでは、偶然車内にいたXにより現行犯逮捕されたもので,特定の被害者の被害届などによって逮捕されたものではありません。
また,実際に画像を受信した者がX以外にいるかどうかも明確にはわかりません。
このような場合には事件を警察内で終わらせる微罪処分となる可能性もあります。
しかし,微罪処分とできる事件は都道府県によって異なります。
ご自身の事件について、微罪処分や不起訴になる見込みがどの程度あるかについては、刑事事件に強い弁護士に尋ねられるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族の方が都道府県の制定する迷惑防止条例違反で逮捕されお困りの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
警察署での初回接見・事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。
(警視庁葛飾警察署までの初回接見費用:38,500円)
髪の毛を触る痴漢事件
髪の毛を触る痴漢事件
東京都在住の会社員のAさんは,通勤中の電車内において,乗客の一人である女性の髪の毛を触り,匂いを嗅いでしまいました。
Aさんは女性と社内の乗客に取り押さえられ,停車駅で駅員室に連れて行かれました。
駅員の通報により駆け付けた警視庁東村山警察署の警察官に,Aさんは東京都迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に警察署への初回接見を依頼しました。
(フィクションです)
~迷惑防止条例~
迷惑防止条例は各都道府県が定める条例で,名称は都道府県ごとに若干異なりますが,内容は概ね同様となっており,いわゆる痴漢行為や盗撮行為などを罰則付きで禁止しています。
また,設例のAさんがやってしまった行為として該当する可能性がある「卑わいな言動」も規制されています。
ここでは,一例として東京都の迷惑防止条例を紹介します。
東京都迷惑防止条例
第5条 何人も,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような行為であつて,次に掲げるものをしてはならない。
(1)公共の場所又は公共の乗物において,衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
(2)略(盗撮行為)
(3)前2号に掲げるもののほか,人に対し,公共の場所又は公共の乗物において,卑わいな言動をすること。
東京都の迷惑防止条例では,いわゆる痴漢行為,盗撮行為を切り出して処罰の対象としています。
そして,いわゆる痴漢行為,盗撮行為とは言えないものの,他人に不安を覚えさせるような行為を「卑わいな言動」として包括的に処罰対象としています。
いわゆる痴漢行為や「卑わいな言動」を行った場合,罰則は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金となっています(東京都の場合)。
いわゆる痴漢行為は(1)で規定されています。
「痴漢」行為という言葉からは,胸元やお尻を触る行為をイメージされやすいかと思います。
設例のAさんが触れたのは女性の髪の毛ですが,この行為も痴漢として扱われるでしょうか?
迷惑防止条例の条文を確認してみましょう。
迷惑防止条例の条文は「身体に触れる」ことを禁止しています。条文を文字どおりに解釈するのであれば,毛髪も身体の一部なので痴漢行為だ,と言えなくもないと思われます。
もっとも,実際に迷惑防止条例違反とされた事件において,いわゆる痴漢行為として逮捕されているケースは,胸やお尻といった部位を触った場合が多いことも否定できません。
設例のAさんのような場合,同じ迷惑防止条例違反でも,いわゆる痴漢行為以外の行為を包括的に処罰する「卑わいな言動」として扱われるか,あるいは,刑法208条が定める暴行罪として扱われる可能性があると思われます(暴行罪の場合は,「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」に処せられます)。
~逮捕されてしまったら~
設例のAさんのように現行犯逮捕されてしまった場合,事情によっては数日で釈放されることもあります。
もっとも,逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると判断された場合には,逮捕に引き続く身体拘束の延長となる,勾留の決定がされてしまう場合もあります。
ひとたび勾留されてしまった場合には,原則10日間,状況によってはさらに10日間の延長がされて,最大20日間も留置所において拘束されてしまう可能性があります。
勾留されている間は会社等に行くことができず,事件が会社等に発覚してしまう可能性が非常に高くなります。
そうなってしまうと,会社等を休み続けるわけには行かず,解雇されてしまう可能性もあります。
そのため,弁護を依頼された弁護士はまずは勾留されないように弁護活動をします。
具体的には,勾留の必要がないという意見書や,ご家族の方からの上申書などを検察官に提出します。
~弁護活動~
痴漢や盗撮などの卑わいな言動の事件の場合,初犯であり,被害者の方と示談が成立していれば起訴猶予の不起訴処分となる場合が多いです。
反対に,示談ができていない場合は,少なくとも罰金処分にはなり,前科がつくことが大半です。
また,余罪の有無等,事情によっては起訴されて刑事裁判を受けなければならないこともあります。
そのため,検察官が処分を決めてしまう目に,早期に被害者の方と示談交渉をすることが非常に重要になります。
しかし,痴漢事件などの場合,加害者の方が被害者の方と直接示談をするというのは非常に困難です。
示談交渉をしようにも,被害者の方と連絡を取ることができません。
弁護士であれば,被害者の同意の下,検察官や警察官から被害者の方の連絡先を取り次いでもらえる場合もあります。
示談の際には宥恕条項を盛り込んだ示談書を作成することが重要です。
宥恕とは「許す」ということであり,宥恕条項があれば,当事者間で既に解決している以上,検察官は国家による刑罰をあえて科す必要はないと判断し,不起訴処分とする可能性が高くなります。
万が一,痴漢やそれに類する事件を起こしてしまった場合には早めに弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
痴漢といわれるような事件を起こしてしまいお困りの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
初回接見・無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。
(警視庁東村山警察署での初回接見費用:37,800円)
弁護士の頼み方
弁護士の頼み方
神奈川県に住むAさん。
いつも通勤のため地下鉄を利用しています。
ある日、帰宅ラッシュの時間と重なり、混雑した地下鉄に乗っていました。
乗車から5分ほど経過したとき、いきなり女子高生から腕を掴まれました。
「この人痴漢です!」
何が起きたのかわからず茫然とするAさん。
次の停車駅で降ろされてしまいました。
Aさんはどうなってしまうのでしょうか。(フィクションです。)
~駅事務室には行かないように~
このようなケースでは駅員によって駅事務室に連れていかれることが多いでしょう。
痴漢をやっていない場合でも、話せばわかってもらえると考え、素直に駅事務室まで行く方もいらっしゃいます。
しかし、駅事務室でそのような機会は設けられず、警察署に連行されてしまうことも多いようです。
とはいえダッシュで逃げ去るというのは、その際に他人にぶつかってケガをさせたり、逮捕・勾留されやすくなったり、あるいは後々裁判になった場合に不利な事実となる可能性があるのでやめた方がいいでしょう。
冤罪対策としては、名刺を渡すなどの方法で自分の連絡先を教えた上で、駅事務室には行かずに立ち去ることが重要といわれています。
そして弁護士に相談し、落ち着いて対策を練るのが理想です。
~駅事務室に連れていかれたら~
とはいえ、駅事務室に行くのを拒否しきれない場合もあるでしょう。
その場合に1人でベストな対応するのは難しいので、弁護士の力を借りることも考えた方がよいでしょう。
逮捕されていれば、後述の当番弁護士制度を利用することができます。
しかし任意で事情を聞かれているにすぎない段階では利用できません。
一刻も早く弁護士のアドバイスを受けたい場合には、お知り合いの弁護士や、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のような刑事事件に強い弁護士を呼ぶという方法があります。
~逮捕・勾留されたら~
逮捕されると最大3日間、留置所に入れられます。
さらに、被疑者を刑事裁判にかけるか否か(起訴するか否か)を検察官が判断するために、さらに最大20日間、留置所に入れられる可能性があります(勾留といいます)。
逮捕された時点で、各地の弁護士会で運営している当番弁護士制度を利用できます。
当番となっている弁護士が駆け付け、取調べを受ける際の注意事項などをアドバイスをしてくれます。
費用は1回限りですが無料です。
その後勾留された場合には、被疑者国選という制度を用いることができます。
弁護士費用を国が負担し、弁護士をつけてくれる制度です。
もちろん当番弁護士や被疑者国選ではなく、自ら費用負担してお知り合いの弁護士や、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所などに弁護を頼むこともできます(私選弁護人)。
~勾留されなくても~
逆に勾留されずに釈放された場合には、被疑者国選を使うことができません。
なぜなら身柄を拘束されていない被疑者は、拘束されている被疑者よりも弁護士の支援の必要性が低いという考え方があるからです。
しかし実際には、勾留されていなくても起訴される可能性はあるので(在宅起訴といいます)、弁護士の支援が必要なケースは多いです。
たとえば、痴漢をやっていないのであれば、出来る限りその証拠を集めて検察官を説得する必要があるため、弁護士の力を借りるのがベストといえるでしょう。
また、弁護士から、取調べを受ける際のアドバイスを受けることで虚偽の自白を防ぐことも重要となります。
一方、痴漢をしてしまったのであれば、被害者と示談をして被害を回復させ、反省態度を示し、起訴しないよう検察官に働きかけることが重要となります。
被害者との示談交渉や検察官への働きかけ等も、刑事事件に慣れている弁護士に依頼することがベストであるといえます。
~痴漢事件で弁護士に依頼~
以上のように、身柄を拘束されているか否かに関わらず起訴を免れるために弁護士を使うことは重要です。
弁護士費用を考えて国選弁護人を使うことも有力な選択肢の1つです。
しかし、勾留されていないなどで国選弁護人が使えない場合、あるいは国選弁護人は使えるけれど刑事事件に強い弁護士に頼んで不起訴のためにベストを尽くしたいという場合には、私選弁護人に依頼することも有力です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、事務所での法律相談は初回無料となっております。
ぜひ一度ご相談ください。