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痴漢再犯事件で保釈

2019-07-03

痴漢再犯事件で保釈

京都府京都市山科区在住のAさん(30代男性)は、路上での痴漢事件を起こして、京都府山科警察署逮捕された。
Aさんには、過去に痴漢前科が複数あり、起訴されて裁判になる可能性が高いと聞かされたAさんの家族は、刑事事件に強い弁護士に法律相談して、早期釈放や起訴後の保釈に向けて、弁護活動を依頼することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~釈放と保釈の違いとは~

痴漢事件などの刑事犯罪を起こして逮捕された場合には、被疑者は身柄を拘束された上で厳しい取調べを受けて、捜査機関側が被疑者の供述等も含めた証拠集めをした上で、事件を起訴するか不起訴にするかの判断をします。
起訴される前までの期間の逮捕勾留中に身柄解放されることを「(起訴前の)釈放」といい、起訴された後の勾留中に身柄解放されることを「保釈」といいます。
起訴前の「釈放」と、起訴後の「保釈」は、それぞれの制度が異なります。

~起訴前の釈放~

逮捕された直後には、72時間以内勾留の判断がされて、基本的には10日間(最長20日間)の勾留(身柄拘束)がなされます。
逮捕直後の段階で勾留決定が出る前のタイミングや、勾留中のタイミングで、身柄解放されることを「(起訴前の)釈放」といいます。

もし起訴前に釈放された場合でも、警察署からの取調べの呼出しがあるたびに、自宅から警察署に通う形で取調べは続き、取調べ供述などの証拠集めが終わった時点で、検察官による事件の起訴・不起訴の判断が行われます。

~起訴後の保釈~

逮捕されて身柄拘束のまま取調べが続き、起訴されて裁判が行われることになった場合、起訴前に行われていた勾留が最低でも2か月は延長されてしまいます。
このとき、裁判所に保釈保証金として一定額の金銭を納付することで、裁判前や裁判中に一時的に身柄解放されることを「保釈」といいます。
弁護士等が保釈請求をすること、②裁判所が請求を認めること、③指定された保釈保証金を裁判所に納付すること、を全て満たした場合に保釈されます。

弁護士や、直系の親族、兄弟姉妹らは、起訴後に身柄拘束(勾留)の続く被疑者の保釈を請求することができます。
保釈の請求がなされた場合には、下記の条文に挙げられた保釈不許可事由に当たらない限り、裁判所は保釈を許可しなければなりません。
これを「必要的保釈」(または「権利保釈」)といいます。

・刑事訴訟法 89条
「保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
一 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
二 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三 被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
四 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六 被告人の氏名又は住居が分からないとき。」

他方で、保釈不許可事由があって必要的保釈が認められない場合であっても、裁判所が適当と認めれば、保釈が許されることがあります。
これを「職権保釈」(または「裁量保釈」)といいます。

・刑事訴訟法 90条
「裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。」

保釈が裁判所によって認められれば、保釈保証金を納付することで、ただちに被疑者の身柄は解放されます。
痴漢再犯事件で刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、まずは被害者との示談交渉を行い、示談成立による不起訴処分の獲得を目指します。
他方で、示談交渉の働きかけとともに、弁護士の側から積極的に早期釈放保釈のための弁護活動を行います。

京都府京都市市山科区痴漢再犯事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。

初回法律相談:無料

強制わいせつ事件を起こし逮捕

2019-06-28

強制わいせつ事件を起こし逮捕

~ケース~
Aさんは、福岡県粕屋郡内の通学路において、ランドセルを背負っていた女子児童V(10歳)に対し、「おまじないがある」などと称し、Vの同意を得て陰部を直接弄んでしまいました。
その場では何も起きなかったのですが、Vが親に相談したことをきっかけに、親が激怒し、福岡県警粕谷警察署被害届を提出しました。
後日Aさんの自宅に逮捕状を持った警察官が数名現れ、Aさんは強制わいせつ罪の疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~強制わいせつ罪について解説~

強制わいせつ罪は、13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をし、または13歳未満の者に対し、わいせつな行為をする犯罪です(刑法第176条)。
法定刑は6月以上10年以下の懲役となっており、比較的重い部類に属する犯罪といえます。
13歳以上の者に対しては、暴行・脅迫を用いてわいせつな行為をした場合に初めて同罪が成立するのですが、13歳未満の者に対しては、わいせつな行為をしただけで同罪が成立し、わいせつ行為につき同意があったとしても同様です。

(「わいせつな行為」とは?)
わいせつな行為の具体例として、陰部に手を触れたり、手指で弄んだり、自己の陰部を押し当てることなどが挙げられます。
ケースにおける、「陰部を直接弄ぶ行為」は、強制わいせつ罪における「わいせつ行為」の典型例ということができるでしょう。

(故意)
強制わいせつ罪は故意犯ですので、Aさんにおける被害者の年齢の認識が問題となります。
被害者が13歳以上の場合は、Aさんにおいて被害者が13歳以上であることを認識している必要はありません。
しかし、被害者が13歳未満の場合は、Aさんにおいて被害者が13歳未満であることを認識していたことが必要となります。
ケースのVはランドセルを背負っており、身長、言動、Vが通学路にいたという事情から、13歳未満であることを認識していたと判断される可能性が高いと思われます。
したがって、13歳以上であると思っていた、という弁解は通用せず、「不合理な弁解」として、Aさんの身体拘束が長引くなどの不利益をもたらすリスクの方が高いと思われます。

~逮捕されると今後どうなるか?~

(勾留請求前)
粕谷警察署に引致され、警察での取調べを受けたあと、留置の必要があると認められるときは、逮捕から48時間以内にAさんの身柄が検察に送致されます。
検察官は、Aさんから話を聞き、身柄を受け取ったときから24時間以内かつ逮捕から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するか、あるいは起訴するかを決めます。
(勾留請求後)
勾留請求に対し、勾留の要件を審査し、勾留の可否を決定するのは裁判官です。
勾留決定が出されると、10日間の期間で勾留されます。
さらにやむを得ない事由があると認められるときは、最長10日間の期間で、勾留延長がなされます。
検察官は勾留の満期日までにAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするか、または処分を保留して釈放するかを決めることになります。
勾留されたまま起訴された場合は、保釈されない限り、起訴後勾留に移行し、引き続き身体拘束を受けることになります。

~弁護士に身柄解放活動、示談交渉を依頼~

勾留が長引くと、勤務先から無断欠勤を続けたとして、解雇されるなどの処分を受ける可能性があります。
以上みてきた通り、Aさんの身体拘束を続けるかどうかを判断する機会がいくつかあることがわかります。
1つは、勾留請求前です。
勾留請求されなければ、捜査段階で勾留されることはないので、検察官に勾留請求をしないよう交渉することが考えられます。
もう1つは、勾留延長の決定が出されるときです。
この機会も、身体拘束の長期化を阻止するポイントの1つです。
勾留中にも、「準抗告」という勾留決定に対する不服申し立ての手段があり、準抗告が認容されれば、Aさんは釈放されることになります。
起訴後は、保釈請求を行い、保釈の実現に向けて活動します。

被害者(被害者が未成年者の場合はその保護者)と示談を成立させることも重要です。
示談が成立していれば、検察官が不起訴処分を行う可能性を高めることができますし、起訴された場合にも、示談が成立していない場合よりも軽い量刑の判決を期待することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、強制わいせつ事件の解決実績も豊富です。
ご家族が強制わいせつ罪などの痴漢事件を起こしてしまいお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

埼玉県大宮市の痴漢事件

2019-06-23

埼玉県大宮市の痴漢事件

埼玉県大宮市在住の大学生Aさんは、大学への通学途中の走行中の電車内で、前に立っていた女子高生Vさん(18歳)のスカートの中に手を入れ、Vさんの太ももなどを触る痴漢行為をしました。Aさんは、Vさんから「この人痴漢です。」と言われたことから、周囲の男性に取り押さえられ、駆け付けた埼玉県大宮警察署の警察官に埼玉県迷惑行為防止条例違反逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの妻は、Aさんとの接見弁護士に依頼しました。
(フィクションです。)

~ はじめに ~

6月1日から6月15日にかけて、関東エリアの鉄道事業者21社局、警察庁、警視庁、埼玉県警察、千葉県警察、神奈川県警察主体による痴漢撲滅キャンペーンが実施されました。痴漢撲滅キャンペーンでは、 鉄道事業者共同でのポスター掲示、車内や駅構内における放送による呼びかけ、警察等と鉄道事業者による「痴漢撲滅イベント」が実施されています。埼玉県では、県警が、痴漢が多発する夏場を前に電車や駅構内での被害を防ごうと、JR大宮駅やさいたま市内の高校で痴漢撲滅を呼び掛ける啓発活動を行いました。

~ 埼玉県の痴漢の実情 ~

埼玉県警察本部鉄道警察隊が、平成28年1月14日から同月20日までの間、県内在住県政サポーター数(60歳未満女性)1098名を対象(回収数727名)に痴漢に関するアンケートを行いました。
すると、「これまで痴漢に遭ったことがありますか。」という問いに、

・はい  67.1%
・いいえ 32.9%

あなたが、痴漢の被害にあった場所はどこですか。」という問いには、

・電車  85.2%
・路上  37.7%
・駅構内  9.0%
・店内   6.1%
・公園   1.4%
・その他  6.6%

で、電車内での痴漢が圧倒的に多いことが分かります。

* 痴漢を止めるには *

統計結果から、常習的に痴漢を繰り返す場合の対策の一つとして、

電車に乗らない、使わない

ことが考えられます。そこで、痴漢常習者がどうすれば「電車に乗らない、使わない」ことができるか考えていく必要があります。

* 鉄道警察隊とは *

痴漢事件では鉄道警察隊が登場することがよくあります。埼玉県の鉄道警察隊は、埼玉県警察本部の地域部の中の一つで、鉄道施設内での治安維持を目的として活動を行っています。活動範囲は、拠点である大宮駅のほか、県内にある全ての路線の鉄道施設です。活動内容は、鉄道施設内における公共の安全と秩序の維持を図るため、痴漢、すり等の検挙活動のほか、鉄道施設や列車内の警ら等の犯罪未然防止活動、鉄道事故発生時の対応などの業務を行っています。また、「痴漢犯罪防止キャンペーン」や「痴漢犯罪防止講話」等、鉄道利用者や学生に対して犯罪防止を訴える広報活動も実施しています。

~ 痴漢行為を禁止する条例 ~

埼玉県では埼玉県迷惑行為防止条例の2条4項で痴漢行為を禁止しています。

条例2条4項

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞しゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。

罰則は、通常、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(条例12条2項1号)、常習として痴漢行為を行った場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(12条4項)、とされています。

~ おわりに ~

痴漢で逮捕されてしまった、痴漢を止められない、などという方は、まずはお気軽に弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,痴漢事件をはじめとする刑事事件少年事件専門の法律事務所です。痴漢事件をはじめとする刑事事件少年事件でお悩みの方は,まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談初回接見サービスを受け付けております。

卑わいな言葉をかけ逮捕

2019-06-18

卑わいな言葉をかけ逮捕

~ケース~
Aさんは、愛知県名古屋市千種区にある駅のホームのベンチに座っている女性Vに対し、「胸を揉ませてほしい」と声をかけました。
Vはこれを無視していましたが、Aさんが「3万円ならどうだ」、「頼むから」などと執拗に声をかけ、Vも怖くなったので、警察に通報しました。
Aさんはその場から逃走しましたが、Vさんに対して卑わいな言動をしたとして、間もなく駆けつけた鉄道警察隊の警察官に愛知県迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されました。(フィクションです)

~愛知県迷惑行為防止条例について解説~

愛知県迷惑行為防止条例第2条の2第1項第4号は、
①公共の場所又は公共の乗物において、
②正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、
③人に対し、卑わいな言動をすること
が禁止されています。
これに違反し、有罪が確定すると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(愛知県迷惑行為防止条例第15条1項)。

「公共の場所」とは、道路、公園、広場、駅、空港、埠頭、興行場、飲食店その他の公共の場所をいいます(愛知県迷惑行為防止条例第2条1項)。
ケースにおける駅のホームは、正に「公共の場所」に該当すると考えられます。

卑わいな言動」とは何を意味するのでしょうか。
卑わいな言動」とは、判例において「社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作」を指すとされています。
女性に対し、胸を揉ませるよう申し向けることは、「卑わいな言動」の典型例ということができます。
したがって、駅のホームにおいて、Vに対し胸を揉ませるよう執拗に声をかけたAさんの行為が、卑わいな言動に当たるとして愛知県迷惑行為防止条例違反の罪を構成する可能性は高いと思われます。

~Aさんが頼むことができる弁護士について解説~

ケースのAさんはこの時点で、どのような弁護士を頼むことができるのでしょうか。

(当番弁護士)
当番弁護士は、被疑者が逮捕されている場合に、1回だけ、無料で接見をしてくれる弁護士です。
在宅事件(逮捕などの身体拘束が行われない事件)の場合は、呼ぶことができません。
被疑者の家族も、弁護士会に連絡し、被疑者のために当番弁護士を呼ぶことができます。
ただし、無料で接見できるのは1回のみであり、今後の身柄解放活動を依頼することはできません。
当番弁護士私選弁護人として選任することもできますが、この場合は弁護士費用がかかります。

(国選弁護人)
被疑者に対し勾留決定が出ており、被疑者が貧困その他の事由(資力が50万円未満の場合)により弁護人を選任することができないときに、その請求により、裁判所が選任する弁護士です。
国選弁護人の費用は基本的に無料ですが、釈放されて仕事に復帰していたなど円滑に社会復帰ができてそれなりの収入がある場合などにおいては、費用の負担を命じられることがあります。
国選弁護人私選弁護人が行いうる弁護活動に違いはなく、国選弁護人も身柄解放活動や示談交渉を行うことができます。
ただ、あまり事件について熱心でない弁護士がいるとの声や、弁護士との相性が合わないといった感想をしばしば耳にします。
自分で自身の相性に合った弁護士を選びたい、という方は、私選弁護人の選任をおすすめします。

(私選弁護人)
被疑者側で費用を負担し、選任する弁護士です。
通常は、法律相談などであらかじめ面接を行った上で選任する弁護士なので、自身の相性に合った弁護士を選ぶことができます。
私選弁護人については、今後の弁護活動を見こして弁護士費用を設定するので、費用がかかる分熱心に活動してもらえることが期待できます。
また、国選弁護人逮捕され、勾留決定が出たタイミングで初めて選任しうるのに対し、私選弁護人は逮捕される前であっても選任することができます。
そのため、逮捕などのかたちで事件が表面化する前に被害者と示談交渉を行い、示談を成立させ、刑事事件化を防ぐといった活動を行ってもらうことも可能となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が愛知県迷惑行為防止条例違反の罪などの痴漢の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弊所の初回接見をご検討ください。
刑事事件専門弁護士が逮捕された方と接見を行い、接見の結果を依頼者に報告させていただくことができます。
私選弁護人を選任すべきかどうか迷っている、という方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

痴漢で勾留前の釈放

2019-06-13

痴漢で勾留前の釈放

東京都千代田区に住むAさんは、電車内で痴漢をしたとして警視庁万世橋警察署の警察官に逮捕されました。Aさんは、逮捕後、万世橋警察署内の留置場へ収容されましたが、検察庁へ送致される前に釈放されました。自宅へ帰ったAさんは妻と相談した結果、刑事事件専門の弁護士示談交渉を依頼しました。
(フィクションです。)

~ 勾留前に釈放されることがある ~

皆さんは、逮捕されても勾留される前に釈放されることがあることをご存知でしょうか?
釈放は、①警察、②検察、③裁判所の3段階に分けられます。警察で釈放される理由は、要は、「逮捕の必要」がなくなった場合、検察、裁判所で釈放される場合とは、「勾留の理由」や「勾留の必要」が認められない場合が通常だと思われます。そこで、そもそも、「逮捕の必要」、「勾留の理由」、「勾留の必要」とは何なのかご説明いたします。

~ 「逮捕の必要」とは ~

逮捕の必要」とは、被疑者の逃亡、あるいは罪証隠滅等を防止するため、被疑者の身体の拘束を要する場合をいいます。刑事訴訟法規則143条の3は「逮捕の必要」に関し、

逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らし、被疑者に逃亡する虞がなく、かる、罪証隠滅する虞がない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない

としています。つまり、被疑者に逃亡、罪証隠滅のおそれがあるかどうかは、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らして判断するということになり、警察官もこの基準を参考に被疑者を釈放するか否か判断しているものと思われます。

* 身元引受書を書かせる意味 *

逮捕の通知を受けたご家族が、警察署において身元引受書にサインすることを求められることがあります。これは被疑者の逃亡のおそれを担保するためのもので、このサインを求められる場合は「釈放の可能性がある」と考えてもいいかもしれません。

~ 「勾留の理由」とは ~

勾留の理由」とは

・被疑者が罪を犯したを疑うに足りる相当の理由があること
に加え
・住居不定
・罪証隠滅のおそれ
・逃亡のおそれ
のいずれかの事由に当てはまることをいいます。「逮捕の理由」が「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」があることであったのに対し、勾留の場合、上の3要件が必要とされていることが異なります。

~ 「勾留の必要」とは ~

勾留の必要」とは、事案の軽重、難易、捜査の進展状況、被疑者の年齢や健康状態など、全ての事情を総合的に判断して、勾留が相当であるといえる場合のことをいい、勾留することによる利益と勾留を受ける被疑者の被る不利益を比較衡量(簡単に言うと「天秤にかける」)して判断されます。

~ 釈放された場合の流れ ~

釈放された場合、自宅に戻り、通常の生活を送ることができます。しかし、刑事事件としては決着がついたわけではありません。身柄事件の場合と同様、警察官、検察官の取調べを受けるなどします。身柄事件の場合と異なり、時間的制約がありませんから他の事件の処理に追われ、事件の処理を「後回し」にされるという可能性もなくはありません。したがって、釈放から取調べまでに1か月以上かかるということもなくはありません。
反対に、警察官や検察官によっては、早く処理をして事件を終わらせたいと考える人もいます。在宅事件の場合、法的に弁護人を付けなさいという制度はありませんから、

示談交渉を検討している、あるいは示談交渉中なので、事件処理を待ってもらいたい

などという方は、早めに弁護士を選任し、示談交渉に入ってもらいましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件をはじめとする刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件少年事件でお困りの方は、まずは、お気軽に0120-631-881までお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

 

痴漢で逃げることは得策か?

2019-06-08

痴漢で逃げることは得策か?

東京都八王子市に住むAさんは、出勤途中の満員電車内で、前にいた女性Vさんから「今、痴漢しましたよね?」と言われました。Aさんは、何のことか分からず「やってません」と答えましたが信じてもらえず、周囲にいた男性2名と共に、次の停車駅で降ろされてしまいました。Aさんは、さらにVさんに「嘘はだめですよ。」「正直に話した方がいいですよ。」「でないと警察呼びますから。」と言われたことから、「逮捕されたら面倒なことになる」と思い、その場から逃げ出しました。Aさんは、改札機を通れば駅員に見つかると思い、線路内におり、そのまま走ってフェンスを乗り越えました。しかし、後日、Aさんは警視庁南大沢警察署の警察官に東京都迷惑行為防止条例違反逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

痴漢を疑われた場合、一刻も早くその場から出だしたいという気持ちになられることは理解できます。しかし、そのことが本当に得策なのか考えてみたいと思います。

~ 現場から逃げると逮捕のリスクが高まる ~

逮捕は、その人が、罪を犯したを疑うに足りる相当な理由があり、罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれが認められる場合にできるものです。逮捕する捜査機関側からすれば、現場から逃げる→罪を認めない→罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれあり、という思考回路をとりがちです。したがって、残念ながら、現場から逃げることは逮捕のリスクを高めることに繋がってしまいます。また、その後の勾留においても同様です。

* 逮捕された場合の周囲の反応は? *

あくまで逮捕段階では

無罪の推定

が働いています。ですから、逮捕=有罪=罪を犯した、というわけではないのです。しかしながら、法律の素人である一般の方々は「逮捕」という言葉に敏感に反応し、逮捕=有罪=が罪を犯した、と考えてしまう嫌いがあります。したがって、仮に、刑事裁判を受ける前に釈放されたとしても、痴漢というレッテルと張られ、

会社にいづらくなる→会社を辞める

ということにもなりかねません。

~ 他の罪に当たるおそれも ~

線路に立ち入った場合は鉄道営業法の37条に違反するおそれがあります。鉄道営業法は明治時代に作られた法律で、規定が古くて読みづらいですがここでご紹介します。

鉄道営業法37条
 停車場其ノ他鉄道地内ニ妄ニ立入リタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス

つまり、鉄道地内にみだりに立入った場合は科料(1000円以上1万円未満の金銭の徴収)に処される、と書かれてあります。科料も立派な刑罰の一つです。「十円」というのは鉄道営業法制定当時の経済事情を考慮して決められたことから、現在は罰金等臨時措置法により金額が修正されています。なお、新幹線の敷地内に立ち入った場合は、鉄道営業法ではなく、新幹線特例法(正式名称は「新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法」)の適用を受け、科料にとどまらず、1年以下の懲役または5万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

その他、立入り関連で成立し得る犯罪としては、刑法に定める往来危険罪(刑法125条1項)や過失往来危険罪(刑法129条1項)です。前者の法定刑は2年以上の懲役、後者は30万円以下の罰金です。いずれも、抽象的に、「電車の往来の危険を生じさせた」ことが要件となります。この点、鉄道営業法ではこの危険を生じさせなくても、立ち入っただけで成立します。

~ 逃げる以外の方法は? ~

これまで見てきたように、現場から逃げることは様々なリスクを生じさせるといえそうですから、得策とはいえません。では、どうすればいいかといえば、まずは

「やってない」

ときっぱり主張することでしょう。駅員や警察官からは、あなたに痴漢を認めさせようといろいろ説得されることがあるかと思います。しかし、本当にやっていないなら、正々堂々と「やっていない」と言っていいですし、言わなければなりません。ここであやふやな回答をしてしまうと、後々不利になったり、面倒なことになりかねません。

そして、最悪逮捕されてしまった場合は、痴漢事件の経験のある弁護士に助言を求めましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件少年事件専門の法律事務所です。刑事事件少年事件を起こしお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間,無料法律相談初回接見サービスを受け付けております。

痴漢を否認して逮捕

2019-05-29

痴漢を否認して逮捕

会社員のAさん(35歳)は、埼玉県さいたま市中央区にある勤務先の最寄り駅に向かう満員電車内において、前に立っていた女子高生Vさんの臀部付近をスカートの上から触りました。Aさんは、駅で降りるとVさんに呼び止められ、「さっき触りましたよね?」「痴漢しましたよね?」と言われました。辺りが騒然となったことから、Aさんは、駆け付けた駅員に事情を聴かれることになりました。その後、埼玉県浦和西警察署の警察官も駆け付け事情を聴かれました。Aさんは警察官に対し「故意に触っていない」「電車が揺れたのでたまたま当たっただけだ」などと言ったところ、埼玉県迷惑行為防止条例違反逮捕されてしまいました。逮捕の連絡を受けたAさんの妻が弁護士にAさんとの接見を依頼しました。

~ 痴漢行為に当たる罪とは?罰則は? ~

いわゆる痴漢行為を疑われた場合は、各都道府県が定めている迷惑行為防止条例(以下、条例)の「卑わいな行為の禁止」の罪に当たるかと思います。概ね、どの都道府県でも「公共の場所」あるいは「公共の乗物」において「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさえるような方法」で「他人の身体に触れ、又は衣服の上から触れる」行為を禁止しています。罰則も、通常は、「6月以下の懲役又は100万円以下の罰金」、常習の場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされていることが多いかと思います。

~ 否認すると逮捕される?Aさんの今後は? ~

Aさんは埼玉県迷惑行為防止条例違反逮捕されています。逮捕は「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」があると認められる場合にできるものです。ところで、Aさんは痴漢行為の故意を否認しています。通常、犯罪事実を否認すると「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」が高いと判断され、逮捕される可能性は高くなると考えた方がいいでしょう。

ここで、本当に「冤罪だ!」とお考えになる場合は、絶対に痴漢行為を認めてはいけません。警察官は「認めれば釈放されるぞ」「早く家へ帰れるぞ」などと甘い言葉をかけて痴漢行為を認めさせようとします。しかし、身柄拘束という大変な状況に置かれていることは分かりますが、ここで痴漢行為を認めてしまうと後でその供述を覆すことに大変な時間と労力を要します。絶対に認めてはいけません。
他方で、「いきなり逮捕されてしまってとっさに否認してしまった」「本当は認めたいんだけど、どうすればいいか分からない」という方もおられるかと思います。そんなときは、以下でご紹介する接見等で弁護士にご相談いただければと思います。

* 逮捕された後は? *

警察官の下で釈放するかしないか判断され、釈放されない場合は、逮捕時から48時間以内に検察官のもとに送致されます。そして、今度は、検察官のもとで釈放するかしないか判断され、釈放されない場合は、送致されたときから24時間以内に勾留請求の手続が取られます。勾留請求されたら、今度は、裁判官の下で、釈放するかしないか判断されます。釈放されない場合は「勾留状」という令状が発布され、その令状に基づき勾留されます。最初の勾留期間は10日間で、その後「やむを得ない事由」がある場合は最長10日間期間が延長されるので、最悪の場合20日間勾留が続いてしまいます。

~ 弁護人による初回接見 ~

刑事事件において、被疑者・被告人をサポートする弁護士は弁護人と呼ばれることになります。
逮捕直後は,弁護人以外の者(ご家族等)との接見は法的には認められていません。しかし、弁護人であれば,曜日,時間に関係なく,立会人なしに,無制限に接見できます。弁護人の接見では,逮捕された方から何をしたのか,容疑を認めるのか,認めないのかなど十分にお聴き取りをした上で,今後の見通しや容疑,認否に応じたアドバイスをさせていただくことができます。特に、Aさんのように痴漢行為を認めない場合、認めるかどうかあやふやな場合は弁護人からアドバイスを受けることが非常に重要です。弁護人の接見後は,ご家族様など接見を依頼された方に接見で得た内容をご報告させていただきますのでご安心ください。接見前に,ご家族様からご伝言をお預かりすることもできます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所痴漢事件をはじめとする刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。痴漢事件をはじめその他の刑事事件少年事件でお困りの方は、まずは、お気軽に0120-631-881までお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。
(埼玉県浦和西警察署までの初回接見費用:36,400円)

偶然手が当たり痴漢事件に

2019-05-24

偶然手が当たり痴漢事件に

~ケース~
大阪府大阪市在住の大手企業の取締役であるAさんは、職場までOsaka Metroの電車を使って通勤していた。
Aさんが通勤に利用する路線は通勤ラッシュで常に満員電車となっていた。
ある日,Aさんが通勤していたところ,手の甲が前方に立っているVさんの臀部に当たっていることに気が付いた。
Aさんは手がVさんに触れていないようにしようと動かしたところ,Vさんは痴漢をされていると思いAさんの腕を掴んだ。
Aさんは次の停車駅でVさんに降車させられ駅員室に連れていかれた。
通報によってかけつけた大阪府天満警察署の警察官にAさんは痴漢の疑いで事情を聞かれることになった。
事情聴取後,逮捕されしまうのではないかと不安になったAさんは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に弁護を依頼した。
(フィクションです)

~痴漢~

他人の身体に触れる痴漢は、各都道府県の制定する迷惑行為防止条例に規定されています。
条文は各都道府県によって若干の違いはありますが、概ね以下のようになっています。

何人も,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような行為であって,次に掲げるものをしてはならない。
一 公共の場所又は公共の乗物において,衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。

痴漢の罰則は都道府県によって異なりますが、50万円から100万円以下の罰金または6ヵ月から1年以下の懲役となっています。
大阪府の場合、通常の痴漢6か月以下の懲役または50万円以下の罰金、常習の痴漢1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
更に、痴漢の程度が激しければ、強制わいせつ罪として6か月以上10年以下の懲役が科されるおそれがあります。

~事件の流れ~

逮捕状による通常逮捕の場合,逮捕の理由および逮捕の必要性が要求されています。
逮捕の理由とは,被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由が存在していることをいいます。
逮捕の必要性とは,逃亡のおそれおよび罪証隠滅のおそれがあるということをいいます。
そして,逃亡のおそれおよび罪証隠滅のおそれがあるということは勾留の要件にもなっています。
そのため,通常逮捕されてしまうとそのまま検察官による勾留請求が認められてしまう可能性が高くなります。
勾留請求が認められると原則10日間,その後,延長が認められると更に10日間の最長で20日間勾留されてしまいます。
勾留されている間は身柄拘束されますので、その間は会社や学校などに行くことは出来なくなります。
一方,逃亡のおそれがなく,また,電車での痴漢事件ですので罪証隠滅のおそれもないと判断されれば、逮捕されない場合もあります。
今回のケースにおいて、Aさんは大手企業の取締役です。
こうした責任ある立場にあるという事情は、逃亡や罪証隠滅のおそれが低いという評価に結びつきやすいと言えます。
そう判断されれば、逮捕の必要性がないとして逮捕はされずに在宅事件となることも考えられるでしょう。

しかし,今回のようなケースでは逮捕されると、それに続いて勾留されてしまい会社に行くことができなくなる危険性があります。
そのため,逮捕されてしまった場合には勾留を阻止する活動が重要になります。
具体的には、検察官に勾留請求をしないように求める意見書を提出したり,勾留請求が認められてしまった場合に準抗告という不服申立てをしたりします。
これらが認められれば、Aさんは釈放となり身柄解放が実現します。

~弁護活動~

刑法は故意犯処罰が原則となりますので,過失処罰規定がない限り故意がなければ刑罰を科すことが出来ません。
今回の事件は、Aさんが故意に触ったわけではなく,満員電車で触れてしまったというものです。
そのため,刑事裁判となった場合には,事件当時の車内の情況などからAさんが故意に触ったわけではないことを主張することが考えられます。
また,故意でなくとも手が触れてしまった事は事実ですので、迷惑を掛けたとしてVさんと示談交渉をすることも考えられます。
前科がない初犯の場合であれば,痴漢事件示談の成立により起訴猶予不起訴処分となるケースが多いです。

ただし,刑事裁判で正式に無罪判決を受けた場合と起訴猶予不起訴処分となった場合とでは、厳密には意味合いが異なります。
そのため,どのような選択を採るのが最良であるかなどは、刑事事件の弁護経験の豊富な弁護士と相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
痴漢に問われてしまいお困り・お悩みの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
警察署等での初回接見,事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
(事務所での法律相談は初回1時間無料です)

痴漢の実態、勾留後の釈放手段

2019-05-19

痴漢の実態、勾留後の釈放手段

会社員のAさんは、兵庫県神戸市内を走行する満員電車内で、正面に立っている女性Vさんのスカートの中に右手を差し入れ、Vさんの尻や腿などを触る痴漢をしたところ、Vさんから。右てを掴まれ「この人痴漢です」と言われてしまいました。Aさんは、次の駅で数人の乗客により降ろされ、駆け付けた兵庫県葺合警察署の警察官に兵庫県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されました。その後、Aさんは勾留されました。Aさんの弁護人は勾留決定に対し準抗告したものの棄却されたことから、次に、勾留取消し請求をしようかと検討しています。
(フィクションです。)

~ 痴漢の実態 ~

警視庁の発表によれば、平成29年中に東京都内で発生した痴漢中、最も発生した時間帯は

午前7時から午前9時の通勤通学時間帯

で、全体の

約30パーセント

を占めていたとのことです。また、痴漢の発生場所は

電車  51.3%
駅   20%
店舗内 11.5%
路上   7.8%
商業施設 2.6%
バス   0.8%

と電車が圧倒的に多く、駅を併せると全体の71.3%を占めています。これは東京都内のデータですが、公共交通機関が発達している地方・地域に住んでいる方はもとより、そうでなくても東京都内や公共の交通機関が発達している地方・地域に出張する機会が多い方、痴漢の性癖などど悩まれている方には参考となる数値ではないでしょうか?

~ 勾留後の釈放手段 ~

勾留後の釈放手段には大きく分けて2つあります。
一つは勾留の裁判に対する「準抗告(不服申し立て)」と,勾留決定の取消しを求める「勾留取消し請求」です。
どちらも,その主張が認められれば,勾留された方を身柄解放できるという点では同じですが,前者が勾留決定を違法であることを前提としているのに対し,後者はこれを適法であることを前提としている点で大きく異なります。

* 勾留取消し(請求)について *

勾留取消しは,勾留自体は適法であるものの,その後に事情の変化が起き,勾留の理由・必要がなくなった場合に請求できるというものです。刑事訴訟法87条1項に規定されています。

刑事訴訟法87条1項
 勾留の理由又は勾留の必要がなくなったときは、裁判所は、検察官、勾留されている被告人若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取消さなければならない。

なお、「被告人」とありますが、本項は起訴される前の「被疑者」にも適用されます。
勾留の理由」とは、

① 被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当の理由があること
に加え、
② 住居不定であること
③ 罪証隠滅のおそれがあること
④ 逃亡のおそれがあること

のいずれかの事情があることをいいます。
勾留の必要」とは、事案の軽重、難易、捜査の進展状況、被疑者の年齢や健康状態など、全ての事情を総合的に判断して、勾留が相当であるといえる場合のことをいい、勾留することによる利益と勾留を受ける被疑者の被る不利益を比較衡量して判断するとされています。

* 勾留後の事情の変化とは *

勾留の理由」にも「勾留の必要」にも影響する事情といえば「示談成立」が大きいのではないでしょうか?
痴漢事件の場合、示談が成立すれば、それだけ不起訴処分を獲得できる可能性が高くなり、その分だけ被疑者が罪証隠滅行為を働いたり、逃亡したりするおそれはなくなり、同時に勾留の必要もなくなると考えられるからです。また、逮捕勾留後に、被疑者固有の事情の変化により、勾留により被疑者の被る不利益が大きいと判断され「勾留の必要」がなくなるケースもあります。例えば、不慮の事故により配偶者が亡くなって子どもを世話する人がいないなどという場合です。

勾留取消し請求は,準抗告に比べて数は少ないと言われていますが,それでも法律上認められている手段です。勾留後は、どんな事情の変化があるか分かりませんから、お困りの方は弁護士に相談しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件をはじめとする刑事事件少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。
兵庫県葺合警察署までの初回接見費用:34,900円)

痴漢の罰則,量刑,逮捕後の流れ

2019-05-14

痴漢の罰則,量刑,逮捕後の流れ

Aさんは京都府京都市上京区を走行する電車に乗車中,目の前の女性Vさんを見て興奮してしまい,ズボンの上から臀部や腿を触るなどの痴漢をしました。Aさんは,Vさんの隣におり,痴漢の一部始終を見ていたWさんから腕を掴まれ,次の駅で降ろされて駅員室に連れて行かれました。その後,Aさんは通報を受け駆け付けた京都府上京警察署の警察官に連れていかれました。Aさんの逮捕の通知を受けたAさんの妻が,Aさんとの接見弁護士に依頼しました。
(フィクションです)

~ 痴漢はどのような罪? ~

一般的に「痴漢」と呼ばれる犯罪は,各都道府県の迷惑防止条例(各都道府県によって名称は異なる,以下「条例」といいます)が「卑わいな行為」などとして禁止する罪,もう一つは刑法176条に規定される「強制わいせつ罪」です。
条例に規定される痴漢の罪と強制わいせつ罪との大きな違いは「暴行・脅迫」を手段とするか否かです。「暴行・脅迫」を手段とする場合は強制わいせつ罪が成立します。ただし,女子の陰部に指を挿入するなど暴行それ自体がわいせつ行為であってもよいとされていますので,一見すると条例が適用されるのか刑法が適用されるのか分かりづらく,また,両者を線引きする明確な基準もありません。一応,陰部に指を挿入する行為のほか

・直接胸を揉む
・キスをする

などの行為は,相手方の性的自由を侵害する行為といえ,強制わいせつ罪で処罰される可能性があります。

~ 痴漢の罰則は?量刑は? ~

条例の罰則は,概ね,どの都道府県でも「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされていることが多いようです。また,常習として行った場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされていることが多いようです。他方,強制わいせつ罪の罰則は「6月以上10年以下の懲役」と罰金刑が設けられておらず,懲役刑の長さも条例に比べ長いです。やはり,「暴行・脅迫」を手段としている点,性的自由の侵害が大きい点などから悪質だからでしょう。

* 初犯の場合 *

初犯の場合,条例違反であれば罰金刑で処罰されることが多いかと思います。強制わいせつ罪の場合,懲役刑しかありませんが,執行猶予付き判決が付くことが多いのではないでしょうか。ただし,執行猶予付き判決は「3年以下の懲役」を言渡す場合にのみ付けることができます。懲役刑の長さは1年2か月から2年が相場ではないかと思われます。

~ 痴漢で逮捕された後はどうなる? ~

逮捕されると通常の生活を送ることができませんから,家族,仕事・職場などへの不安は尽きません。
そこで,逮捕後の流れを簡単に説明いたします。

警察に逮捕されると,警察署の留置場に収容されます。そして,警察官の「弁解録取」という手続(被疑者から事件について弁解を聴く手続)を受けます。その上で,釈放か否か判断されます。釈放されない場合は,逮捕から48時間以内に検察庁(検察官)の元へ送致されます。
ここでも,検察官による「弁解録取」の手続を受けます。その上で釈放か否か判断され,釈放されない場合は被疑者を受け取ったときから24時間以内に勾留請求の手続を取られます。
勾留請求されると,今度は,裁判の「勾留質問」という手続を受けます。その上で釈放か否か判断され,釈放されない場合は勾留状という裁判官名義の令状により,指定された場所に収容(勾留)されます。通常は,逮捕されたときの場所と同様,警察の留置施設であることが多いです。
当初の勾留期間は10日間と決まっています(ただし,不服申し立てを行うことにより早期に釈放できる可能性はあります)。その後,やむを得ない事由がある場合は勾留期間を延長されることがあります。

~ 弁護人による身柄解放活動 ~

以上をみると,勾留までに釈放されるタイミングがいくつかあることがお分かりいただけると思います。一つ目は,警察の弁解録取の後,二つ目は,検察官の弁解録取後,三つ目は,裁判官の勾留質問後です。よって,早めに弁護活動をご依頼ただければ,この三者に対し,身柄を拘束しないよう,釈放するよう働きかけることができます。
なぜ,働きかけが必要かというと,基本的に,警察官も検察官も裁判官も,釈放するべき事情を全て把握しているわけではなく,仮に把握していたとしても,特に捜査機関(警察,検察)は全ての事情を酌んでくれるとは限らないからです。また,この段階で働きかけを行うことで,「仮に勾留されても後で不服申し立てをするからね」という圧力をかける意味にもなるのです。そうすれば,勾留前に釈放される可能性を高めることができます。

* 勾留後の不服申し立て *

勾留後は「勾留裁判に対する準抗告」「勾留取消し請求」という手段で釈放を目指します。ともに,釈放を目指すという意味では同じですが,後者は勾留中に勾留の理由又は必要がなくなった場合に申立てできるものです。実務では,前者の手段が多く活用されています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件少年事件専門の法律事務所です。刑事事件少年事件を起こしお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間,無料法律相談初回接見サービスを受け付けております。
京都府上京警察署までの初回接見費用:36,300円)

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